オフィスによって生産性が変わるというのはイメージできるものの、実際どこまで違いがあるのかは知られていません。そんな中、生産性を高めるのは自己流にアレンジできるオフィスという調査結果が発表されていました。
生産性を高めるオフィスはどんなオフィスなのか調査
この研究(1)は112人の男女を対象として行われました。参加者はランダムに以下の4つに分けられています。
オフィス
- 何もないオフィス
- 植物や絵が飾られたオフィス
- 自分でアレンジできるオフィス:植物や絵を自分で好きに配置
- 自分でアレンジした後、実験者が再設計したオフィス
グループ分けをした後で、カード分類タスクをしてもらいました。3組のトランプをシャッフルしてから、それぞれ3つのパックに分類するという作業です。もちろん、マークもそれぞれ分類した上で、3つに分けます。
その後、アンケートで仕事の満足度や快適さなどを回答してもらい、実験は終了しました。結果は以下のような感じ。
結果
- 自分でアレンジしたグループは仕事の満足度や快適さが最も高かった
- 何もないグループが最も満足度が低かった
- 自分でアレンジしたグループは他と比べて最大32%も生産性を向上させた
- 何もないオフィスは最も長い時間がかかった
これらの結果から自分でオフィスをアレンジできる人ほど、仕事の満足度や幸福度が高く、生産性も優れていると示されました。逆にオフィスを装飾できない参加者は幸福度と生産性の両方を著しく損ないます。
論文でも書かれていますが、ここまで違いがあるのに作業環境をアレンジできない従業員が多いです。著者はこの結果について以下のように述べています。
この結果は従業員の心理的ニーズを無視したオフィス空間管理に対する一般的なアプローチが誤っていることを示唆している。これらのアプローチは従業員がスペース管理に関する意思決定に含まれ、スペースと組織の両方を認識するようになった場合に生じるメリットを見逃しています。この点では、オフィスが「リーン」ではなく「グリーン」であることが望ましいだけでなく、自分のワークスペースを設計する権限を与えられるべきであると思われる。
科学的に考えると、何もないオフィスよりも自然を取り入れた方が良いですが、何より自分でアレンジできる権限こそがベストです。
それではぜひ参考に。