ケルン大学の研究によると、早く帰れるという指示はお金よりもパフォーマンスを高めると発表されました。
余暇時間がパフォーマンスを上げた研究
この研究(1)は125人の学生を対象として行われました。参加者にはスライダー課題をやってもらいます。この課題は4つのスライダーがコンピュータに表示され、マウスを使って決められた位置に移動させるという内容です。すべてのスライダーが適切な位置に来ると、次の課題へ進みます。
そして、この課題は2回の作業時間に分かれ、それぞれ無条件に4ユーロ受け取れました。その上で参加者を以下の3つに分けています。
グループ分け
- ベースライン群(43人):作業は30分×2で4ユーロの基本報酬がある
- お金群(42人):ベースライン設定+最初の作業期間で6ユーロの追加報酬あり
- 時間群(40人):2番目の作業期間中に25分早く実験室を離れていい
結果は以下のような感じ。
結果
- 時間群は約25%のパフォーマンス向上を示した
- お金群はベースラインと変わらなかった
- 時間群は有意に仕事の余暇(ネット閲覧)を少なくした
これらの結果から、時間をプレゼントすると余暇時間が少なくなって、パフォーマンスが向上するとわかりました。時間がパフォーマンスを上げるなら、「仕事を早くする」か「仕事の余暇を少なくする」のいずれかです。
今回の結果を見ると仕事は早くしないが、仕事の余暇を少なくすることはできるとわかります。要するにみんな帰りたいわけですね。
ただ注意点として著者は以下のように述べています。
時間ボーナスのパフォーマンス効果は、この調査でわかっていないさまざまな作業に依存する可能性があります。本質的にやる気のある仕事に取り組んでいる間の余暇時間のボーナスは、否定的でやる気を起こさせるものと見なすことができます。他にも、早めに退社すると翌営業日に仕事量が増える場合、従業員の現在のストレスレベルによっても同様の影響が生じる可能性があります。
今回は時間をプレゼントすることでパフォーマンスが著しく上がったものの、使い方によっては悪影響も出かねません。特に余暇時間が減少させられるといっても、余暇をゼロにすることが最適ではありませんしね。
-
-
休憩isベスト!集中力を維持したければ休息こそ最善なのだ
とはいえ、正しく使えれば高いポテンシャルをもった施策になる可能性は十分にあります。
それではぜひ参考に。