多くの企業はチームの結束を高めるために色々な工夫をしています。ブリガムヤング大学の研究では、45分間のビデオゲームが生産性を20%高めるという調査結果が発表されました。
45分のチームゲームが生産性を20%高めた研究
この研究(1)は352人の男女を対象として行われました。参加者は全員チームを作り、全部で80チームできています。ちなみにチームは知り合いがいないように編成されました。
チームは事前タスクとしてFindamineというアプリをプレーしました。ゲームの内容は提示されるヒントから場所を特定するというものです。これでチームのベースラインの成績を確認しました。
そして、事前タスクが完了したら、以下の3つに分けています。
グループ分け
- チームビデオゲーム:ロックバンド3かHalo4のいずれか
- ゴールトレーニング:事前タスクの振り返り
- 対照群:静かに宿題
ランダムに3つに分けて、それぞれ45分間してもらいました。チームビデオゲームは現地では人気ゲームらしいです。
メモ
ロックバンドはチームで曲を正しく演奏するゲームで、Haloは4人チームで他チームを倒していくという内容です。どれも優勝チームにはキャンディバーがプレゼントされました。
またゴールトレーニングは事前タスクの振り返りで、以下の4つを質問しています。
質問内容
- チームが選択したプロセス
- チームが個人をタスクに割り当てる方法
- チームメンバーが自分の仕事をどの程度うまく伝え、調整したか。
- すべてのチームメンバーが最善を尽くしたかどうか。
チームメンバー同士で話し合いの場を作ったわけですね。そして、参加者全員45分間のタスクをやった後で、再度Findamineを行いました。結果は以下のような感じ。
結果
- チームビデオゲーム群はパフォーマンスが20%向上
- ビデオゲーム間に差はなし
- ゴールトレーニング・チームビデオゲームともに結束は改善した
- 結束力はチームのパフォーマンスに大きなプラスの影響が示された
- ゴールトレーニングは成績に直接的な悪影響が出た
これらの結果から、チームビデオゲームが20%もパフォーマンスを高めるとわかりました。ビックリなのはゴールトレーニングがむしろ下がっている点です。
振り返りをしたにも関わらず成績が低下した理由については以下のように説明されています。
ゴールトレーニングはビデオゲームが創り出す喜びと「フロー」によって説明される分散を考慮した後、成績に有意な負の効果を持った。フローは「ゾーン」としても知られ、人が仕事に完全に没頭する精神状態を指す。これは自分の仕事の楽しさ、時間の解離、コントロール、好奇心を高める。
正確な答えはさらなる研究が必要ですが、チームでのより良い活動には喜びやフロー状態が必要不可欠なのかもしれません。とはいえ、チームでビデオゲームをすると効果があるとはわかっているので、取り入れる価値はありますね。
論文通りにするなら、3-5時間以上のチームタスクをするときに45分間ビデオゲームを最初に入れるとメリットが得られます。時間もお金をかからないので、かなり良さげですね。
それではぜひ参考に。