学生を対象とした研究では、オフィスワーカーの生産性に影響するのは室温という調査結果が出ています。
オフィスワーカーの生産性が影響を受けやすいのは室温だった
この研究(1)は18歳の10人の学生を対象として行われました。参加者には12種類の神経行動テストをしてもらいます。テストは1つ30分で、12回すべて室温と照明を変えて行われました。
室温と照明は以下のような感じです。
室温と照明
- A1:17℃
- A2:21℃
- A3:28℃
- B1:500ルクス
- B2:750ルクス
- B3:1000ルクス
ルクスの目安は500ルクスで蛍光灯の事務所、700ルクスで百貨店売り場、1000ルクスはパチンコ屋の店内くらいです。
そしてスケジュールはこんな感じ。
スケジュール | |
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A1×B1 | 9:40 |
A1×B2 | 10:20 |
A1×B3 | 11:00 |
A2×B1 | 11:40 |
A2×B2 | 12:20 |
A2×B3 | 1:00 |
ランチ | 2:00 |
A3×B1 | 2:30 |
A3×B2 | 3:20 |
A3×B3 | 4:00 |
後はテストの反応時間や間違った数などを集計して、分析しました。結果は以下のような感じ。
結果
- 最適な環境は室温21℃×照明1000ルクスだった
- 室温はオフィスワーカーのパフォーマンスに38.56%貢献した
- 照明は19.91%貢献していた
- 複合効果は11.03%の貢献をしていた
※すべて反応時間応答
これらの結果から、オフィスワーカーのパフォーマンスは室温の方が貢献しているとわかりました。どちらも大事というのは予想できた話ですが、室温が照明よりも2倍近く貢献していたとはビックリですね。
ちなみにこの研究では最適な室温と照明が出ていますが、適切な室温は男女差があるという研究も出ています。ぜひこちらも参考に。
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生産性と認知機能を最大化する室温は男女で違うと判明した
著者も今回の結果について以下のように述べています。
研究結果から、温度と照明は独立してオフィスワーカーのパフォーマンスに重要であることが理解されています。室内の室温は、照明の独立した効果または複合的な効果のいずれよりも有意な効果を有することにさらに留意されたい。このことから、室内の室温の影響は、照明の影響よりもオフィスワーカーのパフォーマンスに大きく影響すると結論付けることができます。
オフィスの室温は21℃、照明は1000ルクスを目安にするのが良さそうですね。
それではぜひ参考に。