今回紹介する研究ではマルチタスクが大幅にパフォーマンスを低下させるという調査結果が出ました。
シングルタスクとマルチタスクを比較した研究
3つの作業方法に分けて比較したRCT(1)が発表されています。この実験では、アムステルダム大学の大学生218人を対象にしました。まず、参加者には「数独」と「シークワーズ」をそれぞれ12分間で連続して解いてもらいます。
その後、ランダムに以下の3つに分けました。
グループ
- シングルタスク:12分間同じタスク×2
- マルチタスク:4分毎にタスクを切り替える
- 選択:切り替えボタンを押すことでタスクを切り替えられる
簡単な話、参加者全員シングルタスクを一度したあとで3グループに分けたわけです。そして、パフォーマンスを確認しました。
引用元:(1)の研究結果
結果
- マルチタスクは生産性に非常にマイナスだった(-23ポイント)
- 自分で選択してもマルチタスクになった(-21ポイント)
- マルチタスク能力に男女差はなし
- 男性は女性よりもタスクの切り替えが多かった(選択群)
これらの結果を見ると、マルチタスクが大幅にパフォーマンスを低下させるとわかります。23ポイント差ですから、スイッチの切り替えが多いだけで生産性は大幅ダウンです。
また自分でテストを切り替えられたグループも成績が落ちています。この理由について多くの参加者が「新鮮な目で問題を見たいから」と述べました。気持ちはわかりますが、切り替えがすぎるとパフォーマンスの低下につながります。特に一度で複数のタスクを与えられると、タスク間でジャグリングしてしまい生産性を低下させる恐れがあります。
マルチタスクの回避方法
この論文ではマルチタスクの回避方法として以下の2つを挙げています。
マルチタスクの回避方法
- 前のタスクが完了した場合のみ次のタスクを行う
- 独自のスケジュールを選択させずに、順次実行を規定する
ざっくり言うと、1つの作業が終わるまでは次の作業をしないのが基本ですね。シングルタスクなら、ポモドーロテクニックが役立ちます。
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【保存版】ポモドーロテクニックの全まとめ!集中力を高める時間管理術とは?
それではぜひ参考に。