数秒から数分のごく短い休憩と仕事のパフォーマンスを調査した研究では、リラクゼーションや会話が仕事のパフォーマンスにポジティブな影響を与え、販売実績も向上すると発表されました。
マイクロブレイクと仕事の研究
この研究(1)はマイクロブレイクによる仕事のパフォーマンスへの影響について調査したものです。
メモ
マイクロブレイクとは、タスク間で行われる短い非公式の休憩のことです。昼休みや予定された休憩ではなく、自発的に行う数秒から数分の休憩ですね。
今回の研究では、71人のコールセンター勤務男女を対象として行われました。調査はアンケート調査で、10日間連続で毎日回答してもらいました。質問内容は以下のような感じ。
質問内容
- マイクロブレイクについて
- 仕事のパフォーマンス:コールセンターにおける売上
- 職場での良い影響:ポジティブ・ネガティブの感情を評価
この研究ではマイクロブレイクを以下の4つに分類しています。
マイクロブレイクの分類
- リラクゼーション:散歩や瞑想、昼寝など
- 栄養摂取:コーヒーやスナックなど
- 社会活動:他の従業員との会話など
- 認知活動:読書やネットなど
それぞれ調査した結果がこちら。
結果
- リラクゼーション・社会的・認知的マイクロブレイクは作業負荷に対してプラスの影響があった
- 栄養摂取だけ正の影響は有意ではなかった
- リラクゼーション・社会的・認知的マイクロブレイクは販売実績にも間接的な影響が認められた
- 栄養摂取のみ間接的な影響は見られなかった
- 4つの中で最も影響があったのはリラクゼーションだった
- マイクロブレイクは仕事への関心が低い従業員ほど、著しい効果を示した
これらの結果から、リラクゼーションや社会的、認知的な休憩がパフォーマンスにプラスの影響を与え、より高い販売実績につながるとわかりました。しかし、栄養摂取は仕事のパフォーマンスにプラスの影響が見られていません。
そこで「カフェイン」「非カフェイン」「スナック」に分類して分析すると、カフェインはプラスの影響を有意に増加させ、販売実績の向上を示しました。逆にカフェイン以外の飲み物だと、間接的な効果が見られなかったので面白いですね。
また面白いことに仕事への意欲が高い従業員ほど、マイクロブレイクの効果が小さくなりました。この結果について著者は以下のように述べています。
リラクゼーションや社会的、認知的マイクロブレイクは仕事意欲の欠如のために状態の肯定的な影響に依存するという点で、仕事への関わりが少ない従業員にとって最も有益である。対照的にポジティブな影響の変動は状況にかかわらず、彼らが仕事の仕事に高く従事し続けることができるので、高い仕事に従事している従業員にはあまり影響しない。
言い換えれば、仕事への関与度が高い人は、仕事の成果に対する感情的な資源を補充するために頻繁なマイクロブレイクを必要としないかもしれない。
経営者やマネージャーはマイクロブレイクの価値や理解をしておく必要があります。マイクロブレイクと言っても、人によって必要性が異なるからですね。
自分でも仕事中のマイクロブレイクについて考えてみるのが良さそうです。仕事をバリバリやりたいという人は仕事が長めでも良いかもしれません。ただこれは精神面(感情)の話なので、作業パフォーマンスとは別の話です。休憩と作業パフォーマンスについては以下の記事が参考になります。
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休憩isベスト!集中力を維持したければ休息こそ最善なのだ
個人的にも休憩は散歩や瞑想が中心だったので、今後も続けようと思います。
それではぜひ参考に。