企業の慈善活動が生産性を最大30%アップさせた話

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チャリティ

 

イヴ
今回は企業の慈善活動が生産性に与える影響を解説します。

 

企業の慈善活動がお金と同等レベルで生産性を高めた研究

従業員のやる気を引き出す方法でわかりやすいのが金銭的なインセンティブです。

 

イヴ
インセンティブ・・・?
ニコ
やる気や目標達成を引き出すための施策のことだ!金銭的なインセンティブでいえば、ボーナスやストックオプションなどが挙げられるぞ!

 

一方で寄付やチャリティのような社会的なインセンティブも効果があるかもということで、金銭的なインセンティブと組み合わせてガッツリ調査されています。

この研究(1)は320人の大学生を対象として行われました。実験は4つのセッションに分かれていて、最初の段階で実験に必要な20ポンドを渡しています。大学図書館の書誌レコードを入力するという内容です。主にタイトルや著者名、出版年などですね。

各セッション1時間で入力した書誌レコードの量によって、追加の報酬を受け取れました。受け取る金額は各セッションの開始時に発表されて、報酬はすべてのセッションを完了したときに支払われます。

参加者はランダムで以下の4つに分けました。

 

セッション1セッション2セッション3セッション4
グループ1
(52人)
2.5P2.5P2.5P2.5P
グループ2
(52人)
2.5P(5P/7.5P/10P)(5P/7.5P/10P)(5P/7.5P/10P)
グループ3
(100人)
2.5P普通に2.5P/
10ポンド寄付or10Pを好きなチャリティ寄付
普通に2.5P/
10ポンド寄付or10Pを好きなチャリティ寄付
自分or寄付
グループ4
(116人)
2.5P普通に2.5P/
5Pか15Pを好きなチャリティに寄付
普通に2.5P/
5Pか15Pを好きなチャリティに寄付
自分or寄付

※Pはピースレートのこと。ピースレートは出来高払いで、セッションができたら2.5Pという具合です。

 

グループ3と4で人数が多いのは金銭的インセンティブと社会的インセンティブで、ばらつきが大きいと考えたからだそうです。ちなみにここでの生産性は書誌レコードの完了数と正しく入力されたレコード数の2つを使用しています。

で、最後のセッション終わりに「あなたが選んだ慈善団体に、自分の総収入の何%を寄付することを希望するか?」を聞いて終了しています。結果は以下のような感じ。

 

結果

  • 金銭的なインセンティブを2.5Pから5Pにすると、生産性は10%向上
  • 7.5Pからさらに上げると17%まで向上
  • 社会的インセンティブは有意に生産性の13%増加を示した
  • 社会的インセンティブはボランティア経験ありに対して16-17%の向上と関連
  • ボランティア経験なしだと、生産性への影響は小さかった
  • 最初の生産性が低い人は社会的インセンティブで30%も生産性を増加させた
  • 女性は社会的なインセンティブを選択する可能性が高かった
  • 自分の報酬の内どれだけ寄付をするかが選択できるとパフォーマンスが大幅に向上した

 

これらの結果から、社会的インセンティブはやる気を引き出す点で、金銭的インセンティブよりも効果的とは言えませんが、その差は思うほど大きくないとわかりました。特に収益が増加するにつれて、お金の限界効用も減少するので、社会的なインセンティブがやる気に対して効果的になる可能性があります。

著者はこの結果について以下のようにも述べています。

 

十分な程度の税制上の優遇措置や顧客、規制当局、投資家から得られる十分な追加的な利益は、社会的なインセンティブを金銭的なインセンティブに匹敵するものにする。また利益が増加し、お金の限界効用が減少するにつれて、社会的インセンティブは従業員のモチベーションにおいてより効果的になると予想される。

 

イヴ
限界効用・・・?
ニコ
ざっくり言うと、ボーナスをもらい続けると、満足感が減少していくという意味だ!

 

実践的には金銭的な施策と組み合わせて行う形になりそうですが、自分でどれだけ寄付するかを選択できるようにするのがベストみたいですね。

それではぜひ参考に。

 

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