思い込みから本当に効果を表すのは有名な話です。今回の調査では思い込みで独創性も高めると発表されました。
プラセボ効果で創造性を高めた研究
この研究(1)はプラセボが創造性を高めるかを検証したものです。
メモ
プラセボ効果とは、偽物の薬を飲んで、本当に症状が軽減してしまう現象のことです。元々プラセボ効果は痛みやうつ病などの症状を軽減することが知られています。
今回の実験はプラセボ効果が認知機能に影響を与えるかを調査したわけです。参加者は90人で、ランダムで2つに分けられました。
グループ分け
- プラセボ群:45人
- 対照群:45人
実験はシナモンのニオイを付けた研究室で行われました。プラセボ群には「このニオイは創造性を高め、抑圧を低下させる」と言いました。それ以外はどちらのグループも同じです。
3つの創造性テストをやってもらって、完了しました。結果はこんな感じ。
結果
- プラセボ群は2つのテストで有意に高い独創性を示した(効果の大きさは中程度)
- 解決策の数は有意差なし
実験から思いこみで独創性を高めるとわかります。しかも効果サイズは中程度から大きいものでした。プラセボによって独創性を高めるメカニズムとして以下の2つを挙げています。
メカニズムの仮説
- 創造性が動機によって調節される:自信や不安の解消によるもの
- 通常はパフォーマンスを損なう抑制メカニズムを弱める:アルコール摂取で創造性が高まったのと同じ原理
まだ仮説の段階なのでなんとも言えませんが、思いこみで独創性を高められるのは面白いですね。例えば、職場でアロマをたいて「創造性を高めるアロマです」といえば、似た効果が出るでしょう。
嘘をつくことになるので推奨はしませんが、一例としてはこういうイメージです。
それではぜひ参考に。