マインクラフトが創造性を高めるというのは過去の研究でも示されています。しかし、今回の研究では指示ありのマインクラフトを行うと、創造性を著しく損なうという調査結果が発表されました。
マインクラフトと創造性の研究
この研究(1)は344人の大学生を対象として行われました。参加者はランダムに以下の4つのいずれかに分けられています。
グループ分け
- 通常マインクラフト群
- 指示付きマインクラフト群:できるだけ創造的に遊ぶよう指示
- レースゲーム群
- テレビ群
メモ
マインクラフトとは、広大な世界を舞台にサバイバルをするゲームのことです。自由度の高いゲームで、基本的にミッションなどはなく、自分の想像するものをなんでも創れます。
参加者はそれぞれ45分間で、ゲームやテレビをやってもらいました。その後で4つの創造性テストを完成させてもらっています。
結果は以下のような感じ。
結果
- ゲームプレイは基本的に成績と負の関係にあった
- しかし、創造的なゲームとGPAは小さな正の関係を示した
- 通常マインクラフト群は全体的に高い創造性を示した
- 指示ありのマインドクラフトは創造性のパフォーマンスを著しく悪かった
これらの結果から、指示なしのマインクラフトは創造性を高めるとわかりました。ゲームは基本的に成績と負の関係にありますが、特定の創造的なゲームの場合は有益である可能性がありますね。良いですね。
メモ
表にあるエイリアンドローイングテストとは、7分間で地球とは異なる世界で成長したモンスターを想像し描いてもらうという内容です。評価は人間的な生き物が多いほど、創造性が低いと評価されます。
特に今回の結果は驚きべきことに指示のありとなしで大きな違いが出ています。つまり、ゲームがどのようにプレイするかによって、創造性の恩恵をもたらすかを決めているかもしれないわけです。これはビックリ。
著者は結果のメカニズムについて以下の4つを挙げています。
- 遊び方を指示することで遊び意欲が変化した
- モンスタードローイングテストによって測定された創造性が使い尽くされたり疲れたりした
- 参加者に設定された目標(創造的である)を与えたことで、自分で持てる目標と競合してしまった
- クリエイティブの向上は通常Minecraft状態でプレイする方法の意思決定プロセスから生じた
どの可能性が正しいのかはわかりませんが、少なくともゲームでどうプレイするかを自由に意思決定することによって、クリエイティブの向上につながりました。また著者は以下のようにも述べています。
ビデオゲームは子供に悪影響を及ぼすという点で、多くの問題が指摘されてきたが、一部のゲームは子供にとって良いかもしれないという議論にも真実がある。政策立案者や教育者が公衆衛生や教育の変化を検討する際には、ゲームをあまりにも広範に描きすぎないこと、そしてゲームの持つ可能性を魅力的で適応力があり、本質的に楽しい教育の機会であると無視しないことが重要である。
ゲームが教育に悪いという意見を持つ人でも、マインクラフトなら良いかもしれませんね。この研究は説得材料にもなりそうですし。
それではぜひ参考に。