今回は億万長者の時間の使い方と幸福度について紹介します。
億万長者と一般人で時間の使い方はどこまで違うのか?
この研究(1)は億万長者がどう時間を使うことで、幸福につなげているかを調査しています。実験はアンケートで回答してもらいました。
それぞれのサンプル数は以下のような感じ。
グループ分け
- 富裕層:863人
- 一般人:1232人
アンケートの質問内容は以下のような感じです。
診断内容
- 生活の満足度
- 昨日はどのように過ごしたか?:食事や通勤、仕事、リラックス、ボランティア、趣味など
- 昨日の勤務時間
- 指示に対して何をするか/どのように行うかを検討した時間
ちなみにこの研究では、過ごし方を2種類に分けています。
過ごし方の分類
- アクティブレジャー:祈りや社交、運動、趣味、ボランティアなど
- パッシブレジャー:テレビ視聴や昼寝、休憩、何もしないなど
参加者にはアンケートに回答してもらい、結果は以下のような感じです。
結果
- 富裕層はアクティブレジャーに時間を多く使い、パッシブレジャーは少なかった
- 富裕層は一般人よりも労働時間が長かった
- 富裕層は余暇の時間をアクティブレジャーに費やしていた:最も多かったのは運動
- アクティブレジャーの時間増加は生活満足度と正の相関を示し、パッシブレジャーは負の相関を示した
- 富裕層は一般人よりも1時間多く自立して働いていた
- 仕事の自律性は生活満足度と正の相関を示した
結果は億万長者が一般人と驚くほど似た時間の使い方をしていました。しかし、富裕層ほど余暇時間にアクティブレジャーをやっていると示されています。
特にアクティブレジャーが生活満足度と正の相関を示し、パッシブレジャーが負の相関であることを考えると、幸福に影響している可能性は十分あります。ちなみにこの相関は一般人でも見られました。
また今回際立ったのは仕事の自律性が高い点です。億万長者ほど職場での時間管理へのこだわりが強いと示されました。これは過去の研究でも、裕福な人は個人のコントロールを重視し、日々の決定をコントロールしたいという傾向が確認されています。
著者はこの結果について以下のように述べています。
富裕層に見られる労働時間管理の強化は余暇時間にボランティアなどのアクティブレジャーを行うなど、生活で多くのエネルギーを発揮できた理由を説明するのに役立つ可能性がある。また裕福な人であれば、仕事から帰宅したときのほうがエネルギーがあり、疲労も少ないので、より活発な余暇活動ができるかもしれない。
億万長者はアクティブレジャーや仕事の自律性を重視する傾向があり、どちらも人生の満足度と正の相関があります。生活の満足度向上が目的であれば、意識してみるのが良さそうですね。
それではぜひ参考に。