数学が得意でないと、家計を効率的に運営できないのは自然な話です。しかし、新しく発表された研究によると、数学の能力は高くても自信がない人は家計の結果が悪い傾向にあると発表されました。
数学が財政に結びつくには「能力」と「自信」が必要だった
この研究(1)は数学能力の自信と財政的な結果の関連性を調査したものです。実験は4572人を対象にアンケートに回答してもらいました。測定内容は以下のような感じ。
診断内容
- 財務結果
- 客観的な数学能力
- 数学能力の信頼度
- 財務知識
収集したデータは重回帰分析をして、結果は以下のような感じ。
結果
- 数学能力の信頼度が高い人は客観的な数学能力が高いほど、財務結果もポジティブな傾向が高くなる
- 数学能力の信頼度が低い人は客観的な数学能力が高くても、財務結果が低くなる傾向が見られた
結果は数学の能力には「客観的な数学力」と「能力への自信」の2種類が必要とわかりました。数学の能力が財務に役立つためにはどちらか一方が欠けているだけで悪くなります。
例えば、数学の能力は低いものの能力への自信が高い場合はむしろ有害になる可能性があります。というのも、この場合は自分の家計の数値タスクをやり続けますが、自分では気づかない間違いを犯してしまうため、良い結果にはつながりません。
著者は上記のパターンの人に以下のようなアドバイスをしています。
客観的な数値が低く、数値の信頼度が高い個人は負のフィードバックに抵抗する可能性があるため、最大の課題になる可能性があります。彼らが仕事を真剣に受けとめている限り、フィードバック付きの単純な算術を実践することで客観的な数値を改善するはずです。
数学力はあるのに能力への信頼が低い人には以下のように述べています。
客観的な計算能力が高く、数値の信頼性が低い人は価値の肯定や筆記療法などの心理的介入から得られる信頼性の向上を必要とするかもしれない。
このパターンはそもそも家計の意思決定をする可能性が低いので、心理的介入が必要になるとか。個人的には微妙な感じも否めませんが、筆記療法に関しては以下の記事をご参考に。
-
-
筆記療法の効果はごくわずか!筆記療法のメタ分析を調査してみた