コホート研究では、高いコルチゾール値を持つ人は低い総脳体積と関連していました。
ストレスと認知機能、脳体積の関連を調査した研究
この研究(1)は1948年から3世代に渡って調査されたコホート研究です。第3世代は4095人の参加者を対象に行われ、そのうちの2018人が認知機能の調査とMRI検査を行いました。
調査の項目
- 血液採取:コルチゾールを採取
- 認知テスト(記憶力、推論、注意、実行機能)
- MRI
- 健康系の質問表
- 身体検査
それぞれガッツリと調査をして完了しました。
メモ
コルチゾールとは、副腎皮質というところから分泌されるホルモンの1つです。ストレスを受けたときに増加する特徴があります。
結果は以下のような感じ。
結果
- 高いコルチゾール値は低い総脳体積と関連していた
- 特に女性は最も高いコルチゾール値と低い総脳体積と関連していた
- 最も高いコルチゾール値は低い灰白質体積と関連していた
- 高いコルチゾールは悪い記憶力や実行機能、注意力と関連していた
これらの結果から、高い血清コルチゾールの人は記憶力や実行機能、注意が悪く、脳体積も少ない可能性があります。高いコルチゾールでここまで認知機能と関連しているとはびっくりです。過去の研究では、海馬の萎縮との関連も確認されています。ちなみに今回は女性において、低い脳体積と関連が見られました。
目を背けたくなる結果ですが、ストレス対策は真面目に考える必要がありますね。この研究は大規模サンプルに加えて、MRIと血液採取をしているレアな研究ですが、それだけにツライです。
それではぜひ参考に。