睡眠を120%活かす勉強術!睡眠時間から睡眠学習まで

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睡眠を活かした勉強法

 

イヴ
今回は睡眠を活かす勉強術を紹介していくよ!

 

睡眠と勉強の関係

勉強に適した睡眠時間は?

最適な睡眠時間は個人差がありますが、NSFの論文(1)によると年齢ごとに以下のように推奨されています。

 

14-17歳8-10時間
18-25歳7-9時間
26-64歳7-9時間
65歳以上7-8時間

 

基本的に7-9時間程度の睡眠が取れれば良さそうです。

 

一方で睡眠不足が認知機能に与える影響を調査した有名な研究(2)では、6時間睡眠でも認知機能を低下させるとわかりました。

この研究は48人を対象に14日間行われました。

 

対象者は「3日間睡眠なし」「4時間」「6時間」「8時間」の4グループに分けられ、認知能力や気分を評価します。

結果は4時間と6時間のグループは運動覚醒能力やワーキングメモリ、認知機能全般が徐々に低下していきました。

睡眠なし

しかも6時間睡眠を14日間続けると、1~2日徹夜した状態と同レベルまで認知能力が低下していました。

著者らは6時間睡眠を続けていると、集中力やワーキングメモリを司るシステムに障害が出ると結論付けています。

このことからも最低でも7時間以上は睡眠を取るのがベストです。

 

睡眠の段階と記憶について

睡眠には、睡眠深度という眠りの深さが5段階あります。

 

睡眠深度

(引用元:wikipedia

 

上から順番に以下のような感じ。

 

睡眠深度

  • 覚醒
  • レム睡眠
  • ステージ1
  • ステージ2
  • ステージ3
  • ステージ4

 

段階ごとに役割が違います。

記憶における睡眠の役割についての論文:3

 

レム睡眠&ステージ1

レム睡眠は一番覚醒に近い段階で、夢を見ることで有名です。

記憶に関しては、パターン認識を強化すると考えられています。

 

つまり、創造性が必要な問題や解けなかった難問の解き方に気づく可能性がある段階です。

またレム睡眠時に復習として睡眠学習をすると、記憶が強化された研究もあります。

この研究は後述します。

 

ステージ2

ステージ2では、運動の学習をする段階です。

スポーツや音楽、機械の操作などは、この段階で記憶されています。

 

ステージ3&ステージ4

ステージ3と4は深睡眠と言われていて、最も記憶が脳に定着する段階です。

特に思い出などのエピソード記憶や勉強した内容などの意味記憶が強化されるとわかっています。(4

 

ただし、睡眠学習のように何かを学習するのには向いていません。

最近の研究(5)でノンレム睡眠は学習が制限されていることが証明されています。

 

一夜漬けの問題点とは?

一夜漬けの問題点は、忘れるスピードが早い点です。

一夜漬けを専門的にいうと集中学習と言い、毎日少しずつやる学習方法は分散学習と呼ばれています。

 

この2つの方法を比較した研究(6)では、分散学習の方が長期記憶にも対応できるとわかりました。

この研究では、分散学習グループ(2日かけて勉強)と集中学習グループ(1日で詰め込み)に分けて行いました。

テストは単語の組み合わせを記憶するもので、2回テストをしています。

 

分散学習と集中学習

(引用元:Distributed learning enhances relational memory consolidationを翻訳・修正)

 

結果は2日目に行われたテストで、集中学習のグループが成績を落としました。

つまり集中学習をやると、長期的に記憶しづらいわけです。

 

またもう1つ落とし穴があって、集中学習でも1日目のテストは分散学習と変わらない点です。

毎日勉強している人に対して1日の勉強で同じになれるわけですが、ここで慢心すると痛い目に合うので注意しましょう。

 

睡眠を100%活かした勉強術

インターリーブと睡眠について

睡眠が記憶を定着させるのは先ほど解説した通りです。

また記憶の定着を高める勉強法として、インターリーブという学習方法もあります。

インターリーブ学習とは、関連性はあるが違う内容を混ぜる学習方法で、反復学習の逆をいく方法です。

 

というのも、反復学習とインターリーブ学習を比較した研究(7)では、インターリーブ学習の方が良い成績でした。

この研究は72人の学生を対象に、12人の画家の絵画を記憶してもらいました。

 

グループは「作者ごとに記憶するグループ(反復)」「ランダムに記憶するグループ(インターリーブ)」の2つに分けています。

結果はランダムグループの正答率が65%で、反復グループが50%でした。

この変化を取り入れた学習は、分散学習のように勉強→遊び→勉強と途中で邪魔を入れるのも同様です。

 

睡眠を100%活かした「インターリーブ睡眠」

で、これらを活かした勉強法がインターリーブ睡眠です。

この勉強法を提唱したのは、リヨン大学のステファニー・マッツァ博士。

 

簡単にいうと、睡眠とインターリーブが記憶力を高めるなら、併用してみようというイメージです。

研究(8)では40人の学生を対象に、スワヒリ語をフランス語翻訳して記憶する勉強をさせました。

 

トニー
ニコ
ちなみに実験が行われたリヨン大学はフランスの大学だ!

 

実験では以下の2つのグループに分けました。

 

2つのグループ

  1. 午前9時に勉強→午後9時に勉強(起きていた)
  2. 午後9時に勉強→午前9時に勉強(睡眠を挟んだ)

 

2つの違いは朝から始めたか、夜から始めたかといった違いです。

それぞれ2回の学習を終えてから、テストを行いました。

 

結果は睡眠グループの方が覚醒グループよりも記憶していた翻訳数が多かったわけです。

しかも、驚きなのが一週間後に再度テストをすると、睡眠グループはほとんど忘れていなかった点です。

 

睡眠グループ

(引用元:Relearn Faster and Retain Longer: Along With Practice, Sleep Makes Perfect

 

一方で覚醒グループは記憶が落ちているのがわかります。

このことからインターリーブ睡眠は短期・長期記憶ともに強化します。

 

インターリーブ睡眠

 

実践的にも簡単で、勉強の計画をたてるときは夜から始めることです。

つまり、1日の勉強の計画をたてるときに午前中から考えるのではなく、その日の夜からスタートして午前中を1セットにするのが良さそうです。

 

記憶の定着を倍増させる昼寝

昼寝が長期記憶を高めることは、科学的にも証明されています。(9,10

最近出た(9)の研究では、84人の学生を対象に以下の3グループに分けました。

 

3グループ

  1. 昼寝
  2. 起きて休憩
  3. 情報の詰め込み

 

勉強やテストのスケジュールは以下のような感じです。

 

テストスケジュール

(引用元:The long-term memory benefits of a daytime nap compared with cramming翻訳修正)

 

で、結果はどちらのテストでも昼寝をしたグループが起きて休憩していたグループよりも有意に良い成績でした。

 

結果

(引用元:The long-term memory benefits of a daytime nap compared with cramming

 

このことから1時間の昼寝が勉強するのと同等か同等以上の記憶をもたらすとわかります。

特に昼寝と起きて休憩を比較すると、大きな違いがありました。

 

ちなみに記憶力を高める昼寝の長さは30-90分がベストです。

これは中国人の高齢者を対象とした研究(11)で、明らかになっています。

 

総睡眠時間認知機能
昼寝なし5.9±2.19.1±4.0
30分以下6.3±2.29.8±3.8
30~90分6.3±1.910.2±4.0
90分以上6.6±2.19.4±3.9

 

短い昼寝でも効果は認められていますが、記憶力を定着させるなら1時間は寝るのが良さそうです。

 

睡眠学習に効果はある?

睡眠学習とは、寝ている時にスピーカーで暗記したい内容を流して学習するという方法です。

実は今でも研究は行われています。

 

最近の研究(4)では、ノンレム睡眠中(深い眠り)は学習能力が制限されているとわかりました。

過去の研究(12)でも、睡眠学習で新しい知識を得ることはできないと言われています。

 

しかし、新生児が睡眠中に刺激の関係を学んだ研究(13)やレム睡眠なら学習できるかもという研究(14)も出ています。

睡眠中に学習できるかもという研究はあるものの、いわゆる試験勉強の内容を新しくできるという研究はありません。

この辺りは期待しない方が良いでしょう。

 

とはいえ、レム睡眠(浅い睡眠)のときに勉強した知識を流すとより記憶力が良くなった研究(15)も出ています。

研究どおりにやるなら、レム睡眠のときに音声を流せばいいわけですが、中々実践的ではありません。

 

睡眠深度

 

睡眠深度は変わっていきますし、睡眠への影響もまだわかっていません。

 

学習時とその日の睡眠中にアロマを使う睡眠学習

音声による睡眠学習は微妙でしたが、アロマによる睡眠学習はオススメです。

睡眠学習とはいっても、その日に勉強した内容をより記憶しやすくする方法です。

 

この研究(16)では、15人のボランティアを対象にバラの匂いを嗅いでもらいながら、記憶課題をやってもらいました。

その後、寝てもらいノンレム睡眠のタイミングで「バラグループ」「無臭グループ」に分けました。

 

すると、睡眠後の試験ではバラグループの記憶力が増強されていたわけです。

ちなみにもう1つの実験では、睡眠中にのみ匂いを出しても記憶力の増強が見られませんでした。

 

つまり、勉強中と睡眠のセットで同じ匂いを嗅げば、記憶力の増強が期待できるわけです。

特にローズマリーは、1,8シオネールという記憶力を高めるニオイ成分と関連が見られています。(17

 

実際にローズマリーによって、記憶力が向上した研究(18)は色々ありますしね。

受験生や勉強に集中したい方は、勉強中+睡眠時にローズマリーを嗅ぐのがオススメです。

 

それでは、ぜひ参考にしてみてください!

 

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