今回の研究では「座り」「立ち」「歩き」の中で、歩きが最もワーキングメモリにおいて優れていると示されました。
「座り」「立ち」「歩き」を比較した研究
この研究(1)は18人のボランティアを対象として、行われました。参加者は活動と安静で2×2にランダムで分かれています。
グループ分け
- トレッドミルで歩く:歩き群
- 自転車を漕ぐ:サイクリング群
- トレッドミルに立つ:立ち群
- 自転車に座る:座り群
つまり、運動するか安静にするかで2種類ずつで分かれたわけです。歩行速度は6km/時で、最大心拍数が60-70%の範囲です。サイクリングは70-80rpmのケイデンスを維持しました。
それから視覚ワーキングメモリ課題や脳波データ、心拍数などを取って終了しています。結果は以下のような感じ。
結果
- 動いた群は反応時間を有意に減少した
- また立ち群は座り群よりもかなり低かった
- エラー率も立ち群は座り群よりも低い傾向を示した
面白いことに動かずとも立つだけで、反応時間やエラー率の減少を示しました。座りでもサイクリングをすれば、改善されるのも素晴らしいですね。これらの結果について著者は以下のように述べています。
反応時間とエラー率の両方が着座状態と比較して直立状態において有意に低いことが見出されたので、視覚ワーキングメモリパフォーマンスに対する体位の実質的な影響が明らかにされた。これは視覚的ワーキングメモリが活動とは無関係に、体位要因によって調節される可能性があることを意味します。
この研究が実生活に役立つのはデスクですよね。座りの悪影響については他の記事でも書いていますが、スタンディングデスクがパフォーマンスを高めたという研究は意外と少ないです。
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【大規模研究】座りすぎの悪影響を運動で相殺するにはどのくらいするべきか?
とはいえ、今回は座りと比較して、立ちがワーキングメモリのパフォーマンスを改善しているので、仕事や勉強で座っている人は取り入れてみる価値があります。またどうしても座りたいなら、サイクリングバイクを導入してみるのもありです。
それではぜひ参考に。