手の握りと記憶力という面白い研究が発表されていました。この研究では、記憶する前に右手を握り思い出す前に左手を握ると優れた成績でした。
勉強する前に右手、テストで左手を握ると成績が優れていた研究
この研究(1)は50人の右利きの男女を対象として、72語の記憶テストをしてもらいました。50人の参加者は以下の5つにランダムで分かれてもらいます。
グループ分け
- 記憶する前と思い出す前に右手を握る:11人
- 記憶する前と思い出す前に左手を握る:9人
- 記憶する前に右手、思い出す前に左手を握る:9人
- 記憶する前に左手、思い出す前に右手を握る:11人
- 何もしない(対照群):10人
手をにぎる時はゴムボールを強く握るよう指示されています。握る時間は1回45秒間です。そして、参加者はそれぞれの条件で、勉強とテストをすると以下のような結果でした。
結果
- 記憶する前に右手、思い出すときに左手が他と比べて優れた成績だった
- とはいえ、統計的な有意差はなかった
- 他3つは何もしない群より低い成績だった
結果は記憶する前に右手、思い出すときに左手を握ると、優れたエピソード記憶を示すとわかりました。統計的な有意差はないので、微妙な気もしますが、著者は以下のように述べています。
顕著ではないが、Renc / Lrecが対照状態よりも優れていたことは注目に値します。これは、サンプルサイズが小さいこと、およびこれら2つの比較グループのばらつきがわずかに増加したことによるものと考えられます。サンプルサイズを増やすと、Renc / LrecとNENRのグループ間で有意差が生じる可能性があります。
サンプルサイズを増やせば、さらに詳細な結果が出せるとのことです。ちなみに手を握る研究をしたのは逆側の前頭葉の神経活動が増加するという研究がきっかけで始まっています。
とはいえ、統計的な有意差は出ていないので、どこまで信用できるかは微妙なところです。やることは勉強するときに右手を握って、テストの時は左手を握るという手軽な方法なので、やらないよりはマシかもしれません。
それではぜひ参考に。