今回は勉強場所を変えただけで、記憶の定着が変化した研究を紹介します。
勉強場所を変えると記憶力はどうなるのか
この研究(1)は環境が記憶にどう関連しているかを、5つ実験したものです。今回紹介するのは1つ目の実験になります。
1つ目の実験は16人の学生を対象として、40の単語を2回に分けて記憶してもらいました。勉強するときは以下の2つの部屋を使ってもらっています。
グループ分け
- 古い建物にある窓のない小さな部屋
- 中庭が一望できる会議室
で、参加者は2つのグループに分かれました。
グループ分け
- 2回とも同じ部屋で勉強する群
- 別の部屋で勉強する群
参加者全員に勉強してもらって、3時間後に10分間で記憶した単語をできるだけ書いてもらいました。ちなみに参加者はテストがあることを知りませんでした。
すると結果は以下のような感じ。
結果
- 同じ部屋群:24.4個
- 別の部屋群:15.9個
ただ場所を変えただけで、成績が40%以上も変わりました。この結果を見ると、勉強は色々な場所で行う方が良いと言えそうです。著者はこのメカニズムとして以下のように説明しています。
文脈情報が各符号化と共に記憶されるとすれば、変更された文脈は想起における決定過程に影響を与えたかもしれない。
つまり、場所の情報(音や光、色など)と単語がセットで記憶されていて、場所を変えることで記憶する手がかりが2倍になったということです。あくまで仮説ですが、勉強する側としてはとても参考になる研究ですね。
それではぜひ参考に。
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