マインドフルネスはストレスや睡眠に効果的というのは有名な話です。一方で記憶とマインドフルネスの研究では、学習前にマインドフルネスを10分行うと記憶力が改善すると発表されました。
10分のマインドフルネスで記憶と学習が改善した話
マインドフルネスはこれまで色々な分野で改善効果が確認されています。当サイトでもストレス解消や睡眠、生産性などへの効果を紹介してきました。
今回はその中でも学習・記憶とマインドフルネスの研究です。(1)参加者は85人の大学生が対象となりました。グループ分けは以下のような感じ。
グループ分け
- マインドフルネス群:46人
- コントロール群:39人
そして、参加者は10分間オーディオテープを聴くよう指示されました。マインドフルネス群は自分の感覚について評価を下さず、呼吸と身体の感覚に集中するという内容で、コントロール群はイギリスの田舎についての音声でした。
音声が終了したら、以下の測定を行っています。
診断内容
- マインドフルネス尺度:日常生活のマインドフルネスレベル
- マインドフルネススケール:音声を聞いたときのマインドフルネスレベル
- 言語学習テスト
- 口頭単語連想テスト
- トレイルメイキングテスト:注意力やワーキングメモリ、処理速度など総合的に測定
- 注意力のテスト:注意の切り替えや選択的注意力の測定
それぞれ測定して結果は以下のような感じです。
結果
- マインドフルネス群は言語学習と記憶が有意に良好だった
- マインドフルネス群は対照と比べて大きな符号化が示された
- 言語の流暢さも改善なし
- マインドフルネスは選択的注意力や注意の切り替えには影響がなかった
結果は10分のマインドフルネスで、言語学習や記憶が改善するとわかりました。特に記憶プロセスの中でも、符号化プロセスが強化されています。
符号化とは、情報を取り込んでから記憶として保持されるまでの憶えるプロセスのことです。つまり、学習が終了してからマインドフルネスをしても、記憶力の改善には効果がないわけです。
マインドフルネスは学習がすでに終了した後に開始されても、統合や検索プロセスの改善には特に効果的ではないようだ。
実践的には10分間マインドフルネスをしてから勉強をしましょう。
ちなみにタイミングさえ合えば、ほとんど誰でもできます。著者は以下のように述べています。
マインドフルネスによって高められた学習能力は生活に取り入れるのを不快にさせたり、時間を浪費する難しい学習技術を必要とせずに、ほとんど誰でも言語学習と記憶能力を改善することができるはずです。これは学習が急速に進む小学校低学年など、特に子供にとって有用だと思われます。多くの学校科目では語彙の学習や新しい言語の学習、読書課題の理解、歴史的出来事の記憶など、言語学習の強化が有益である。
ノウハウとしては受験生に適しているかもしれませんね。
それではぜひ参考に。