落書きは集中できていないときにやりがちですが、研究では落書きによってより多く記憶したと発表されました。
落書きが29%も多く思い出させた研究
この研究(1)は40人の男女を対象として、以下の2つに分けました。
グループ分け
- 落書き群:20人
- 対照群:20人
実験は以下のような流れで行われています。
実験の流れ
- 他の無関係な実験参加者に募集をかける
- 静かで退屈な部屋に集められた
- パーティーのテープを流して、参加する人の名前を書き留めてもらう
- 落書き群はテープを聞いている間に落書きをしてもらった
- 言及された場所と名前を回答してもらう
他の実験の参加者を対象にしたのはすでに家へ帰るつもりだった人をテストすることで、作業の退屈さを高める狙いがあります。落書きは影付きの四角や丸を書いてもらいました。
結果は以下のような感じ。
対照群 | 落書き群 | |
---|---|---|
名前 | 4.0(1.5) | 5.1(1.7) |
場所 | 1.8(1.2) | 2.4(1.5) |
結果
- 全体的に見て落書き群が7.5個、対照群が5.8個記憶した
- 落書き群は29%も多く思い出した
結果は落書きをしていただけで、29%も多く記憶してしまいました。中々に大きい違いです。とはいえ、落書きが有益な効果を生むメカニズムはまだ解明されていません。著者は以下のように述べています。
1つの可能性は、落書きが単に覚醒を最適なレベルに安定させ、人々が起きているのを維持したり、しばしば退屈に関連する高レベルの自律的覚醒を減らしたりすることです。
より具体的な仮説は、空想が落書き自体よりもパフォーマンスにとって有害であるかもしれない状況では、落書きが空想を減らすことによって集中を助けるということです。
一般的には落書きをしていると、集中できていない証拠に見えます。しかし、実際には落書きが集中を助ける可能性があるとわかったわけです。
落書きを推奨するのはどうかと思いますが、すること自体は悪くないかもしれませんね。
それではぜひ参考に。