このページでは記憶の宮殿の効果を検証した研究を紹介します。
記憶の宮殿とは?
記憶の宮殿とは、場所をイメージして記憶したいものを置いていく記憶術のことです。別名「場所法」や「ジャーニー法」と呼ばれ、英語では「Method of loci」と言います。記憶術の中では最も古くて、約2500年前にケオスのシモニデスが編み出した方法です。
記憶の宮殿が短期・長期ともに記憶力を上げた研究
2018年に出た研究(1)では、17人の記憶力世界選手権のトップ選手17人と一般人51人を対象に、記憶力を向上させられるか実験しました。未経験者の51人は以下の3グループに分け、それぞれ30分のトレーニングをしています。
グループ分け
- 記憶力トレーニング
- ワーキングメモリトレーニング
- なし
すべての参加者はトレーニングを6週間行った上で、72語の記憶テストをしました。結果は以下のような感じ。
結果
- 記憶トレ群が有意に記憶力を改善した
- しかも効果は4ヶ月後も持続していた
- トップ選手と似た脳構造になった人ほど、成績が高かった
記憶力トレーニング群は記憶力を優位に改善し、しかも記憶容量に持続的な効果があったわけです。しかも、記憶力トレーニングはトップ選手の脳ネットワークと似た脳構造(厳密には接続パターン)を引き出しました。特に似ている度合いが高いほど、記憶力の成績が上がっています。
著者は以下のようにも述べています。
優れた記憶に関連する脳ネットワーク構成は、記憶訓練によって達成することができる。
個人的にもこの結果はびっくり。脳まで変えて効果も持続するとは記憶の宮殿は絶対にやるべきですね。
記憶の宮殿の作り方
記憶の宮殿はイメージ化が必要な記憶術です。最も定番なのは自分の家をイメージして、部屋ごとに覚えたい単語を配置する方法です。例えば、買い物に行くとして以下のリストを覚えたいとします。
買い物リスト
- りんご
- コーラ
- アイスクリーム
- にんじん
- 豚肉
- 納豆
次に自分が家にたどる道順に、単語と場所を関連付けていきます。
単語と場所を関連付けるときは論理的な道順で考えていきます。わかりやすいのは起床後の動きです。
起床後の流れ
- 起床すると、枕元になぜかりんごが置いてあった
- トイレへ行くと、水がコーラになっていた
- 洗面所の歯ブラシスタンドにアイスクリームが刺さってた
- リビングのテレビが朝からにんじん特集だった
- キッチンで水を飲もうとしたらコップに豚肉が入っていた
- 書斎で仕事の準備をしようとしたらバッグに納豆がかかっていた
記憶の宮殿では単語を配置していくときに、インパクトのある配置をしていくのがオススメです。個人的にはインパクトのある覚え方をしてから、一瞬で記憶できるようになりました。記憶の宮殿を作る時は「論理的な道順」と「インパクトのある配置」の2つを意識してみてください。
それではぜひ参考に。
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