効率的な学習をしたい人必見!科学的におすすめしたい勉強方法の総まとめ

2019年8月10日

ベストな学習方法

 

今回は科学的に正しい勉強方法をまとめて紹介します。

 

点数の付け方をざっくり解説

この記事では、ノウハウを科学的根拠のレベルや手軽さで評価しています。

 

科学的根拠 手軽さ
5点 系統的レビューやメタ分析が1つ以上あり 今すぐできる
4点 ランダム化比較試験が1つ以上あり 少しお金がかかる/少し手間が必要
3点 前後比較・対照群のなし比較試験が1つ以上あり ややお金がかかる/やや手間が必要
2点 コホート研究やケースコントロールが1つ以上あり かなりお金がかかる/かなり手間が必要
1点 予備研究や動物実験 ほとんど不可能

 

エビデンスについて詳しく知りたい方は「論文のエビデンスレベルについて」をご参考に。難しいのが嫌いな方はスターを見れば、大体のレベルが把握できるかと思います。

 

勉強方法

テスト効果

テスト効果

エビデンスレベル:

手軽さ     :

 

テスト効果とは、情報を思い出すことで記憶が強化されることを言います。主にテストで思い出す作業をするため、テスト効果と呼ばれているわけです。シンプルな方法ではありますが、大規模なメタ分析でも有意に優れた成績が示されています。勉強方法の中でも研究が多く、効果が科学的に証明された方法です。

 

テスト効果
最強と呼び声高い「テスト効果」を深く掘り下げたメタ分析がこちら

 

人に教える

人に教える

エビデンスレベル:

手軽さ     :

 

人に教えるという行為は学習を強化すると示されています。これは教育効果と呼ばれています。研究では人に教えることで成績が良くなりましたが、メカニズムの一部はテスト効果と同じだと発表されました。注意点としてはただ資料を見ながら要約して教えずに、自分が学んだことを思い出しながら教えなければ効果がありません。

 

人に教える
人に教えると記憶力が高まるが、やり方を間違えると全く効果なしという研究

 

分散学習

分散学習

エビデンスレベル:

手軽さ     :

 

分散学習とは、時間を分散してコツコツと勉強する方法のことです。研究では、一気に勉強するよりも時間を分散して勉強した方が長期記憶において優れていました。復習の間隔はある程度空けて行うのがベストです。ちなみに学習方法を評価した研究ではテスト効果と同じ高評価を受けています。

 

分散学習
【保存版】科学的に優秀な分散学習の総まとめ!一夜漬けの2倍記憶できる?
一夜漬け
一夜漬けしがちな人必見!分散学習の研究から見た一夜漬けの結果がこれ

 

復習のタイミング

復習の間隔

エビデンスレベル:

手軽さ     :

 

復習のベストなタイミングはテストまでの期間で変わります。1354人を対象として行った大規模研究では、テストまでの期間が長くなるほど復習までの比率が小さくなると示されました。少しわかりづらいので、テストまでの期間別で復習のタイミングをまとめておきます。

 

復習のタイミング

 

もし一週間後にテストになった場合は1-2日後に復習するのがベストです。逆に1年後であれば、1ヶ月後が復習のタイミングとなります。

 

復習
受験生必見!復習はどのくらいの間隔でやるのがベストなのかという研究

 

復習の間隔

復習のタイミング

エビデンスレベル:

手軽さ     :

 

復習の間隔を比較した研究では、5-8-13の間隔で復習するのがベストとわかっています。先ほどの復習のタイミングと組み合わせて考えると、以下のような感じ。

 

復習の間隔

 

計算が面倒な人はすぐ復習せずに間隔をあけて、一度復習したら徐々に間隔を伸ばしていくのがオススメです。

 

復習
復習するタイミングで成績が変わる!復習のベストタイミングがこちら

 

チャンク

チャンク化

エビデンスレベル:

手軽さ     :

 

チャンクとは、バラバラの情報を理解・記憶しやすいよう上手くまとめることを言います。つまり、自分なりにルールを決めて情報をまとめていきます。例えば、「ストレス解消」→「瞑想・運動・笑う」というように自分のくくりの中で情報をまとめましょう。

実践的では新しい分野を学習するときに、「情報の親しみやすさ」でくくるのがおすすめです。研究では見慣れた要素で構成された情報は学ぶのが簡単で、早く習得できるとわかっています。語学学習なんかは特に「なんか見たな・・・?」という単語や文法で、チャンクしていきましょう。

 

積み木
チャンクで簡単に記憶は正しいが、実践的にはどう活かせばいいのかという話

 

インターリーブ

インターリーブ

エビデンスレベル:

手軽さ     :

 

インターリーブとは、関連性のあるものや違うものを混ぜて学習することを言います。絵画とアーティスト名を記憶してもらう実験では、絵画ごとに覚えるよりもランダムに混ぜて覚える方が有意に成績が良かったです。また面白いことに参加者の78%はまとめて記憶する方が良いと回答していて、自分の感覚とは違った結果になっています。

 

反復学習
ブロック学習は絶対するな!意外にもランダムの方が記憶に残りやすいと判明

 

インターリーブ睡眠

インターリーブ睡眠

エビデンスレベル:

手軽さ     :

 

一般的に1日の勉強スケジュールは朝から始まり夜に終わります。しかし、夜からはじめて睡眠を混ぜて朝に終わるというスケジュールも考えられます。研究では夜から始めて睡眠を混ぜる方が12時間後のテストや6ヶ月後のテストで有意に記憶されました。この勉強法をインターリーブ睡眠と言います。

 

勉強中に寝落ち
勉強のやり方を少し変えるだけで、劇的に記憶力を高める方法

 

音読

音読

エビデンスレベル:

手軽さ     :

 

黙読よりも音読の方が記憶力を有意に高めると示されています。これは生成効果と呼ばれるもので、自分が声に出したり書いたりすると記憶に定着しやすいという性質です。研究では大声で音読したり他の人に話したりで、通常の音読よりも効果を高められます。

 

音読
黙読VS音読の決着がついた!暗記向きはどちらか?

 

記憶の宮殿

記憶の宮殿

エビデンスレベル:

手軽さ     :

 

記憶の宮殿とは、場所をイメージして記憶したいものを配置していく記憶術のことです。研究ではワーキングメモリ群やコントロールと比較して、有意に記憶力を改善しました。しかも、この効果は4ヶ月も持続していて、脳構造もトップ選手と似たものに変化しています。長期記憶から脳構造の変化まで見られたトレーニング方法なので、試してみる価値ありです。

 

記憶の宮殿
記憶の宮殿とは?記憶の宮殿が記憶力を向上させ脳まで変えた話

 

思い出す

絵を描く

エビデンスレベル:

手軽さ     :

 

研究では、できるだけ早く思い出すほど記憶の定着が2倍高まると示されています。具体的には覚えてからすぐ思い出すと効果的で、一週間空けてから思い出すのではパフォーマンスが大幅に低下しました。またMRI検査ではエピソード記憶や意味記憶を関連付ける脳領域で、活性化が確認されています。勉強の後で振り返りを挟むのもありかもしれません。

 

思い出す
これは知っておきたい...!記憶の定着を40秒で向上させる方法

 

絵を描く

絵を描く

エビデンスレベル:

手軽さ     :

 

覚えたいものの絵を描くのは普通に単語を書くよりも記憶力を有意に向上させます。この現象は描画効果と言われています。絵を描くメリットは大きくて、文字で単語を書いていたグループと比較して、約2倍以上成績に違いが出ています。覚えられないものは絵を描いてみるのもありです。

 

絵を描く
『描画効果』記憶力を2倍に高めるなら絵を描けという研究

 

間違った勉強方法

学習

エビデンスレベル:
手軽さ     :

 

研究で低評価を付けられた勉強方法は以下の通りです。

 

間違い勉強方法

  1. 要約
  2. 下線/強調表示
  3. キーワードニーモニック
  4. 文章のイメージ化
  5. 再読

 

上記の勉強方法は色々な理由で低評価が付けられました。記憶力や理解力を向上させないという理由もありますし、他の学習方法に比べて劣るというものもあります。

 

勉強法
10の学習方法が本当に効果的かをガッツリ検証した研究がこちら

 

それではぜひ参考に。

 

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