高齢者を対象として研究では、30分の運動を一度するだけで、記憶力を改善すると発表されました。
30分の運動を一度しただけで海馬が活性化した研究
この研究(1)は26人の高齢者を対象として行われました。実験は2回に分けて行われていて、「運動」と「安静」を別の日で実験しています。運動は30分間のサイクリングです。
運動・安静後には、有名人と有名でない人を振り分けるという作業をしてもらいました。この作業は有名人なら右の人差し指キーを押して、有名でない人なら右中指キーを推すよう指示しています。また作業中はfMRIで検査しながら行いました。結果は以下のような感じです。
結果
- 運動は安静よりも意味記憶の部位で有意に大きい活性化が確認された
- 運動は両側の海馬において有意に高い活性化が確認された
これらの結果から、有酸素運動は一度行うだけで意味記憶に影響を及ぼすとわかりました。30分のサイクリングを一度行っただけで、この影響が見られたのはスゴイですね。ちなみに運動系の研究でありがちな脳血流の増加による影響ではありません。
これらの効果は既知の意味記憶ネットワークに局在しており、脳血流の全体的または全体的な増加を反映しているとは思われない。
つまり影響が部分的だったので、脳血流による影響ではないと考えているわけです。著者は運動によるドーパミンやノルアドレナリンの増加と考えているようです。この2つは海馬においてBDNFの発現や神経の新生と関連が見られています。
このようなメカニズムで、運動を1回行うと、神経活性化が促進されると推測されているわけです。運動嫌いな人も一度試しにやってみてはいかがでしょうか?
それではぜひ参考に。
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