『描画効果』記憶力を2倍に高めるなら絵を描けという研究

絵を描く

 

今回は絵を描くことで記憶力を高める描画効果について解説します。

 

描画効果と記憶力の研究

この研究(1)は絵を描くことで記憶力は上がるのかを徹底的に検証したものです。実験は全部で7つ行っています。7つすべてを紹介するのは厳しいので、ポイントごとに抜き出していきます。

 

絵のポイント

  1. 絵を描くのと言葉を書くのは記憶力に違いは出るのか?
  2. 絵で記憶できるのは特徴を捉えられる人だけか?
  3. 絵と脳内イメージで記憶力に違いは出るか?
  4. 大事なのは絵を描くことか?見ることか?
  5. 絵を描く時間が短くても効果はあるか?

 

絵を描くと記憶しやすいというのは有名な話ですが、この研究では細かいところまで実験が行われています。

 

1.絵を描くのと言葉を描くのはどっちが記憶できる?

実験では30人の参加者に「書く単語」と「描く単語」に分けて、書き続けてもらいました。結果は描かれた単語は書かれた単語よりも有意に記憶されています。

 

絵を描く

 

ちなみに参加者が「書いた単語」の回数は記憶された数と相関していませんでした。つまり、繰り返し書いても記憶できるわけではありません。

この絵を描くことで記憶力を高める方法を「描画効果」と呼んでいます。記憶した単語数でも約2倍以上違いが出ているので、描画の特別な効果が示されました。

 

2.絵で記憶が上がるのは特徴を捉えているから?

絵を描いて記憶力アップのメカニズムを考えると、絵を描くために特徴を捉えるかどうかが記憶に関わっているという仮説があります。つまり、「記憶したい単語の詳細な情報を引き出す必要があるから記憶が定着しやすいのでは?」ということですね。研究ではこの辺りも実験されています。対象は47人の大学生で、「絵を描く」「単語の特徴をリストアップする」「単語を書く」の3つに分けました。

 

絵を描く

 

結果は絵を描くが記憶力を大幅に改善して、他2つは有意差がありませんでした。つまり、単語の特徴をどれだけリストアップしても、記憶の定着にはつながらないということですね。

 

3.絵と脳内イメージで記憶力に違いは出るか?

「絵を描くのが記憶力向上になるなら、脳内でイメージを作るだけでも良いんじゃない?」というのは自然な意見です。研究では脳内イメージと絵を描くも比較しています。

実験では28人の大学生を対象として「絵を描く」「イメージ」「書く」で比較しました。

 

結果

 

結果は脳内イメージも記憶力を向上させましたが、絵を描くほどではありませんでした。このことから描画効果は脳内イメージを作ることによる利益だけではなく、他の潜在的なメカニズムがあるとわかります。

 

4.大事なのは絵を描くことか?見ることか?

脳内イメージの他にも、絵を見ることが記憶力向上につながっている可能性もあります。この辺りも実験されているので、紹介します。参加者は37人の大学生で、「絵を描く」「絵を見る」「書く」に分けて比較されました。

 

結果

 

結果は絵を描いた単語の記憶力が他2つと比べて大幅に向上しました。つまり、記憶したい単語の画像を見るよりも絵を描く方が記憶に定着しやすいと示しています。

 

5.絵を描く時間が短くても効果はあるのか?

絵を描く記憶方法のデメリットとして時間がかかるというのがあります。場合によっては実践的ではないという意見も出てくるでしょう。研究でもこの辺りを調べていて、4秒以内に絵を描くというルールで実験が行われました。対照はもちろん「単語を書く」です。

 

結果

 

結果は時間が短くても、絵に描いた単語は記憶力が向上していました。面白いことに、描画効果は短い時間での記憶においても強力であると示しています。短し時間でここまで効果があるなら、特に記憶したいものは絵に描いておくのがいいかもしれないですね。

 

それではぜひ参考に。

 

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