好奇心のある人ほど頭が良いというイメージがあります。実際今回の研究でも、好奇心が強いほど成績も高まると判明しました。
好奇心が脳の記憶領域を活性化した話
実は過去の研究でも、好奇心が脳の記憶領域を活性化させる可能性があるとわかっています。具体的には、好奇心を誘発する雑学の質問への回答は2週間後に思い出す可能性が高かったです。
研究では好奇心が最も高かったのは質問に対する答えについて中程度の自信を持っている時でした。面白い結果ですね。
そんな中で好奇心がなぜ学習を強化するのかを実験したのが今回の研究です。
好奇心はなぜ学習を強化するの?
この研究(1)は好奇心がなぜ学習に関連するのか調査したものです。実験では87人の参加者を対象として約50分間タスクをやってもらいました。タスクは100個の雑学を質問しています。それから各質問に対して、以下の回答をしてもらいます。
質問内容
- 自分の答え
- 自分の答えに自信があるか
- 正解に対する好奇心のレベル
- (回答を見た後)驚いたレベル
過去の研究でもわかっている自分の答えや答えへの自信なども回答してもらいました。
結果は以下のような感じ。
結果
- 事前知識が好奇心を予測した
- 最初の答えに自信があると、テストで雑学の回答を思い出す可能性がわずかに高かった
- 好奇心が1標準偏差増加すると、正解の確率が56%増加と関連した
- 客観的な事前知識が1標準偏差増加すると、正解する確率が57%増加と関連した
これらの結果から、好奇心が強くなるほど、成績も上がるとわかりました。特に今回は好奇心の中でも、事前知識によって学習が後押しされていました。
この結果について著者は以下のように述べています。
この研究の重要な意味は学習者が答えを知りそうになったとき、好奇心をそそり誘発することで、部分的な情報を超えて学習を促進できる点です。私たちのデータは「教育者が学習者が既に習得しているレベルを少し超えた情報を提供することを目指すべき」だと主張するマリア・モンテッソーリなどの古典的なアイデアを強化するための経験的証拠を提供します。
教えるのが上手い先生なんかはちょうど良いレベルの指導してくれたおかげで、好奇心がそそられていたのかなと思います。科学的には記憶にも影響しているので、先生の教え方は大事ですね。
この研究では、好奇心と学習が双方向に関係しているとわかります。学習者が自分に事前知識があるとわかっていると、新しい情報に対する好奇心と関連します。一方で好奇心の強さは学習成績の向上と関連しました。
とはいえ、いきなり好奇心を持とうとするのは難しいので、「自分の知っている情報は何か?」から考えてみると好奇心が湧きやすいかもしれませんね。
それではぜひ参考に。
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