このページはポモドーロテクニックの総まとめです。生産性や集中力を上げたい人はぜひ参考に。
ポモドーロテクニックとは?
ポモドーロテクニックとは、生産性を向上させるための時間管理術です。
ざっくりいうと、25分集中して5分休憩を繰り返すテクニックのことを言います。考案者は起業家兼作家のフランチェスコ・シリオ氏です。ポモドーロの由来はシリオさんが使っていたトマト型キッチンタイマーの名前だとか。
ポモドーロテクニックのやり方
- やるタスクを選択する
- 25分間タイマーをセットして活動
- 記録する
- 5分間休憩する
- 2-4を繰り返す
- 4セット繰り返したら、20-30分の長い休憩を入れる
シンプルな方法ではありますが、実は奥が深くマスターするには時間がかかります。特に時間を区切るテクニックとしてしか利用していないのであれば、改善の余地があります。実際にポモドーロテクニックを見てみると、計画やフィードバックも重視されているのがわかるからです。
ポモドーロテクニックのメリット
ポモドーロテクニックは以下のようなメリットがあります。
メリット
- 集中力の維持
- マルチタスクの防止
- モチベーションの向上
- 頻繁に休憩が取れる
- 仕事や勉強のプロセスを改善できる
- 余った時間も有効活用できる
それでは具体的にポモドーロ・テクニックについて見ていきます。
ポモドーロテクニックの5つの段階
ポモドーロテクニックは、大きく5つの段階に分かれています。
タイミング | 内容 | |
---|---|---|
プランニング(計画) | 1日の始まり | その日の活動を決める |
トラッキング(追跡) | 1日中 | 1ポモドーロごとに計測する |
レコーディング(記録) | 1日の終り | 1日の活動を記録する |
プロセシング(処理) | 1日の終り | データを集計し、情報に変換する |
ビジュアライジング(視覚化) | 1日の終り | 情報を整理・分析し、改善する |
ポモドーロテクニックは25分・5分が先行しすぎていて、重要な5段階が知られていません。生産性を高めていくためには時間を区切るだけではなく、継続的に分析して改善し続ける方が大切です。ちなみに公式サイトでは、ポモドーロテクニックを行うにあたってシートを開発しています。
ポモドーロテクニックシート
- 活動インベントリシート
- To Do Todayシート
- レコードシート
名前やメールアドレスが必要ですが、無料で手に入るのでほしい方はどうぞ。
ポモドーロテクニックに必要なもの
ポモドーロテクニックはシンプルですが、必要なものが3つあります。
必要なもの
- タイマー
- To Doリスト
- 記録シート
タイマーはキッチンタイマーでなくても、スマホやパソコンで代替してもOKです。(専用アプリもあります)アプリは色々ありますが、個人的にオススメのアプリを後ほど紹介します。
ポモドーロテクニックのやり方
1.計画
ポモドーロテクニックは、1日の初めに計画をたてることを推奨しています。具体的には以下のことを決めましょう。
計画内容
- 行うタスク
- 優先順位
- ポモドーロの見積もり
公式ではタスクに優先順位を付けて、どのくらいのポモドーロが必要か見積もることを推奨しています。
ポモドーロ数を見積もるときのコツ
ポモドーロ数の見積もりとは、以下のようなイメージです。
レポートの調査から見出し作成まで | 3ポモドーロ |
レポートの執筆と推敲まで | 4ポモドーロ |
報告書の作成 | 3ポモドーロ |
英語の勉強 | 2ポモドーロ |
メールチェック・メールの返信・アクセス解析の確認・売上チェック | 1ポモドーロ |
ポモドーロ数を見積もるときはいくつかポイントがあります。
ポモドーロの見積もり
- 5-7ポモドーロ以上になる場合はタスクを分割する
- 1ポモドーロ以下になる場合はタスクを結合させる
ざっくりいうと、時間がかかる仕事は分割して見積もり、短い時間の仕事は結合させるということです。見積もりで「0.5ポモドーロやろう」はダメです。基本的にポモドーロは不可分となっています。
とはいえ、今から始める人はポモドーロ数の見積もりができないので、優先順位だけ決めておくのがオススメです。ポモドーロテクニックは実践していく内に、1ポモドーロでどのくらい仕事ができるのかわかってきます。
こうなると面白くて、1日に何ポモドーロ働けばいいのかわかりますし、日ごとのコンディションも数値化できるわけです。最初は見積もりなしで問題ありませんが、記録だけは行いましょう。
2.実践
25分のポモドーロを始めたら、1つのタスクに集中します。タイマーが鳴るまで仕事を続けるだけなので、わかりやすいでしょう。
中断に対しての対処方法
よく中断されるようなら、何らかの対処が必要になります。というのも、短い中断でもパフォーマンスが低下すると研究(1)でわかっているからです。具体的には2.8秒の中断でエラーの発生率が2倍、4.4秒の中断でエラーの発生率が3倍になるとわかっています。
中断への対処方法
- サイトのブロック
- スマホは目に見えない位置に隠す
- 同僚や上司に伝えておく
- スマホの電源を切る
- 休憩中にトイレへ行く
スマホはできれば、電源を切るか視界に入らないようにするべきです。スマホに対処するだけでも中断の可能性は減りますが、職場では同僚や上司に話しかけないように伝えておきましょう。
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【衝撃の結果】スマホの集中力低下はスマホの依存度によって変わる
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【警告】たった1秒のスマホ通知が集中力を著しく低下させる
回数の記録
25分の活動が終わったら、活動を記録します。公式では、1ポモドーロごとに「X」マークがオススメされています。ここでは何回ポモドーロを行ったかを記録できれば、何でも良いでしょう。ちなみにアプリを使うと、自動的記録されていくのでオススメです。
5分の休憩
25分の活動をしたら、どんなに中途半端でも休憩してください。他の実践者の方を見ていると、5分間で別の雑務をやっている方がいました。あれではタスクを切り替えているだけなので、休憩にはなりません。研究では「休憩」「切り替え」「継続」を比較して、圧倒的に休憩がパフォーマンスを維持しました。
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休憩isベスト!集中力を維持したければ休息こそ最善なのだ
ちなみに公式では、以下のものが推奨されています。
公式が例にしている休憩
- 呼吸法
- 瞑想
- コーヒー
- 散歩
- ストレッチ
- 雑談
科学的に正しい休憩方法は当サイトでもまとめているので、ぜひご参考に。
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科学的に集中力を高める方法まとめ│正しい休憩から低下の原因まで
ポモドーロを4セットやったら、20~30分の長い休憩
ポモドーロを4セットやったら、長い休憩を推奨しています。この時間でも仕事のことは考えないようにしましょう。ちなみに公式の例は以下のような感じ。
長い休憩の例
- ストレッチ
- 散歩
- 机の片付け
私の場合はこの時間で昼寝をしています。
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睡眠不足時にパフォーマンスを上げるなら「昼寝」か「休息」か
3.記録
1日の仕事が終わったら、完了したポモドーロを記録していきます。
記録する内容
- 日付
- 開始時刻
- 活動の種類
- 活動の説明
- ポモドーロ数
- 結果についてのメモ
- 改善点
この中で特に重要なのは、1日のポモドーロ数です。1日に行ったポモドーロ数は、次の改善や今後のポモドーロテクニックの見積もりに利用できます。
公式でも、ポモドーロテクニックを完全に理解するための鍵として重要視されています。アプリによってはポモドーロ数を記録してくれるものもあるので、利用してみてください。
4.改善
改善はプロセス改善を目的に、自己観察を行います。ポモドーロテクニックの分析は中々面白いので、見るべきポイントを挙げておきます。
分析の例
- 1週間のポモドーロ数
- 〇〇に必要なポモドーロ数平均
- 曜日平均のポモドーロ数
- 不要なタスク調査
- ベストな活動・休憩時間
- 月ごとのポモドーロ数
- 進捗具合とポモドーロ数
- 1ポモドーロの稼ぎ
この辺りはある程度データが集まればどうにでもなるので、まずは継続が必要です。もしデータが集まったら、Mehdi Chertiさんの分析が参考になります。
Improving my productivity using Pomodoro: takeaways after 2 years of practice
この分析では、公式通りに1週間のポモドーロ数や曜日平均などが出されています。
このグラフはポモドーロの最適な時間を分析しています。表では30分がベストみたいですね。
ポモドーロテクニックの良い面は、継続的にフィードバックできる点です。ポモドーロの数を比較していけば、曜日ごとのコンディションや生産性の高い月などが定量的に見られます。
ポモドーロテクニックにオススメのアプリ「Brain Focus」
スマホアプリの中で最もオススメなのは「Brain Focus」です。海外のアプリですが、日本語対応しています。タイマーも直感的で、4つのポモドーロもかなり見やすいです。
アプリの機能
- タイマー機能
- To Doリスト
- 4つのポモドーロも計測
- 作業・休憩時間の調整
- Wi-Fiの無効・ミュート機能
- データの集計
- CSV出力
スマホアプリでは直感的で使いやすく、データ集計とCSV出力できるので使っています。大きなデメリットもありませんし、今はこのアプリに落ち着いています。
それではぜひ参考に。