今回はスマホが集中力が低下させた研究を見ていきます。
スマホが集中力を低下させた研究
この研究(1)はスマホが認知能力を低下させるという仮説を2つの実験で検証しています。1つ目の実験は548人の学生を対象として2週間実験を行いました。参加者はランダムに3つの場所にスマホを置くよう指示しています。
グループ分け
- 机の上
- ポケット/バッグ
- 他の部屋
そして、それぞれ認知タスクとアンケートに回答してもらい実験を終了しました。すると、結果は以下のような感じ。
結果
- 他の部屋が最も良いパフォーマンスだった
- 机の上が最も悪いパフォーマンスを示した
このようにスマホの顕著性が増すにつれて、認知能力が低下することがわかりました。論文ではスマホが存在するだけで、限られた注意リソースがもっていかれて、パフォーマンスが低下すると書かれています。
ちなみにテスト中はスマホからの通知は受け取っていません。つまり、スマホが存在するだけで、認知能力が低下することを示唆しています。
この結果は色々なサイトや本で書かれていることなので、ご存知の方もいらっしゃると思います。しかし、この研究には続きがあって、興味深い結果になっています。
スマホの依存度によって影響が変わった
(1)の2つ目の実験では「電源を切る/切らない」に分けて、さらに実験しました。著者らは電源を切っても、認知能力に影響を与えると仮説を立てているので、それを検証した実験ですね。
この実験では266人の学生を対象として、3つの場所(机、ポケット/バッグ、他の部屋)×2(電源のオンとオフ)にランダムに分けました。
そして、先ほどと同じように認知テストとアンケートに回答してもらっています。結果は以下のような感じ。
結果
- (1)と同じで場所によって有意な違いが出た
- 電源のオンとオフは関係なし
このように電源のオンとオフは関係なく、存在するだけでアウトでした。しかし、スマホの依存度に分けて比較すると、面白い結果が出ました。
この結果はスマホ依存度が低いと、スマホの位置による認知能力の低下は受けないとわかります。ただ平均以上はスマホの位置によって、悪影響が出ているのでほとんどの人は注意が必要です。論文のこの結果について以下のように述べています。
皮肉なことにより多くの消費者が自分のスマートフォンに頼るほど、スマホの存在に悩まされているように見えます。
このようにスマホを日常的に使う人は仕事や勉強のときにスマホの置き場所には注意する必要があります。少なくとも目に見える位置にスマホは置かないようにしたいですね。
それではぜひ参考に。