このページでは科学的に集中力を高める方法をまとめていきます。
点数の付け方をざっくり解説
このページでは、集中力に関するノウハウを科学的根拠のレベルや手軽さで評価しています。
科学的根拠 | 手軽さ | |
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5点 | 系統的レビューやメタ分析が1つ以上あり | 今すぐできる |
4点 | ランダム化比較試験が1つ以上あり | 少しお金がかかる/少し手間が必要 |
3点 | 前後比較・対照群のなし比較試験が1つ以上あり | ややお金がかかる/やや手間が必要 |
2点 | コホート研究やケースコントロールが1つ以上あり | かなりお金がかかる/かなり手間が必要 |
1点 | 予備研究や動物実験 | ほとんど不可能 |
エビデンスについて知りたい方は「論文のエビデンスレベルについて」をどうぞ。難しいのが嫌いな方はスターを見れば、大体のレベルが把握できるかと思います。
行動
アロマ
エビデンスレベル:
手軽さ :
アロマの中でも、ペパーミントは持続的注意力や記憶力の改善が見られています。集中力以外では覚醒やタスクパフォーマンスの改善、気分の向上などの結果が出ていますね。逆にラベンダーを日中に使うと、記憶力や注意力の低下が確認されているので注意が必要です。
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勉強や仕事で使える!集中力をサクッと高める定番アロマがこちら
ゲーム
エビデンスレベル:
手軽さ :
習慣的にゲームをしている人ほど集中力や選択的注意力が良かったという研究が出ています。ゲームと注意力(集中力)はかなり多く研究されている分野です。ある研究ではゲーマーの人は注意力を司る脳領域がとても効率的で、複雑なタスクにおいて集中力を持続させるために必要な脳の活性化が少ないとわかっています。
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【ゲームで集中力向上】ゲーマーの脳は良くも悪くも変化してるという研究
フィードバック
エビデンスレベル:
手軽さ :
目標設定やフィードバック、インセンティブと集中力の研究では、唯一フィードバックだけが集中力を改善しました。この実験では「目標を達成できるペースで進んでいます」「ペースが遅れています」などのフィードバックがありました。なので、仕事や勉強でも進捗をフィードバックすると、集中力の改善につながります。
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集中力を向上させるなら、フィードバックしろ!という意外な研究
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目標、フィードバック、インセンティブ。集中力を上げたのはもちろん...
努力している人の近くに行く
エビデンスレベル:
手軽さ :
努力している人の近くにいれば、無意識に努力レベルを高められると研究でわかっています。隣の人がやっている課題が見えなくても同じ影響があったため、必ず知り合いである必要もありません。図書館やカフェで努力している人がいれば、自分も努力レベルを増加できるわけですね。
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集中力を手っ取り早く高めるなら、〇〇へ行けばいいという研究
有酸素運動
エビデンスレベル:
手軽さ :
有酸素運動は持続的注意課題において有意な結果を出しています。特に朝30分の運動をした人は8時間にわたってワーキングメモリや実行機能を改善していました。これは運動のあとに座り続けた人でも効果があったので、朝に有酸素運動を入れるのは1日の仕事や勉強にとても有効です。
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【知ってた】週8時間の有酸素運動をしてた人はやはり集中力が高かった
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これは強力!〇〇の有酸素運動は8時間も認知機能を高め維持する
呼吸を数える
エビデンスレベル:
手軽さ :
10分呼吸を数える作業をするだけで、マルチタスクによる集中力低下を軽減できるとわかっています。いわゆる短時間のマインドフルネスですね。この研究では特に重度のマルチタスクで注意散漫になりがちな人ほど、その効果が高かったです。すぐに注意散漫になってしまうという人は呼吸を数えるだけで、集中力低下を軽減できる可能性があるのでぜひお試しを。
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〇〇を数えるだけ?マルチタスクによる集中力低下を軽減する方法が判明
瞑想は年齢による集中力低下も抑制
エビデンスレベル:
手軽さ :
瞑想が集中力を改善するのは有名な話です。最近の研究では継続的に瞑想をしている人ほど、年齢による集中力低下も抑えてくれるとわかっています。ただし瞑想をやればやるほど集中力が上がるわけではなくて、維持できるだけなのでご注意ください。
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瞑想を続けていれば年齢による集中力低下を改善してくれるという話
雨
エビデンスレベル:
手軽さ :
天気と生産性の研究では雨の日の方が生産性が高いとわかっています。というのも、悪天候だと外へ行く選択肢がなくなりやすいので、注意散漫になりにくいからですね。とはいえ、雨の日でも外出する選択肢がある場合はエラー率が大幅に増加しました。雨なら必ず集中できるわけではなく、外出する選択肢をなくすことが大切です。
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天気で生産性が変わる?生産性が高いのは晴れと雨どちらなのか?
時間管理術
ポモドーロテクニック
エビデンスレベル:
手軽さ :
ポモドーロテクニックは25分集中・5分休憩を繰り返すテクニックのことです。ポモドーロテクニックそのものが集中力を高めることはありませんが、集中力を維持する工夫が詰まっています。使いこなせると1日の作業時間を細かく把握できますし、分析や改善も可能です。
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【保存版】ポモドーロテクニックの全まとめ!集中力を高める時間管理術とは?
食べ物・サプリ
コーヒー
エビデンスレベル:
手軽さ :
コーヒーは集中力を改善するのは有名です。過去15年分のランダム化比較試験をレビューした研究では、利点を最大化してリスクを最小化する量は38-400mgの範囲と発表されています。集中力に関しては60mgのカフェインで有意な改善が見られているので、最低でもコーヒー一杯分は飲んでおくのがオススメです。
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カフェインの効果を最大化して、リスクを最小化する量とは?
コーヒー+ラムネ
エビデンスレベル:
手軽さ :
カフェインとグルコース(ブドウ糖)の併用を調査した研究では、注意力と記憶力の向上が見られています。またMRIで脳の活動も測定したところ、部分的な脳の活性化が低下していました。これは脳が通常よりも効率的に機能していることを示していて、注意力の効率を向上させることが示唆されたわけです。ちなみに単体摂取では起こらない影響が見られているので、2つの組み合わせが課題に対して効果的な認知促進剤となります。
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コーヒーとブドウ糖を一緒に食べると集中力はアップするのかという研究
ガム
エビデンスレベル:
手軽さ :
ガムは集中力を向上させる上に学習成績も向上させます。研究では理解度テストや数学のテストで有意に高い成績でした。またガムを噛んでいる時間は9分でも影響があったので、比較的短い時間でも問題はありません。
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【嬉しい結果】集中力を高めると噂のあれが学習成績も向上させた
水
エビデンスレベル:
手軽さ :
水と認知機能は意見が分かれているので、明確な結論が書けません。脱水と認知機能の系統的レビューでは体重2%分の脱水で認知機能の低下が見られ、特に集中力や実行機能に影響が見られました。しかし、別の水分補給と認知機能の系統的レビューでは体重2%の水分不足でも注意力に対しての効果は小さく、実行機能や学習、記憶に関しては有意でもありませんでした。著者は中程度の脱水症状を回避することの根拠は認知能力の維持に関して言えば、ない可能性があると言っています。
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集中できないなら、まず”水”を飲むべき理由
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2%の水分不足が認知機能を"損なわない"というメタ分析が出ていた
ルテイン・ゼアキサンチン
エビデンスレベル:
手軽さ :
ルテインやゼアキサンチンは緑黄色野菜に含まれる色素です。ルテインとゼアキサンチンを1年間飲んでもらう実験では、注意力や推論能力、記憶力において有意に高い成績でした。全体的に脳機能のパフォーマンスを改善できるので、飲んでみる価値があります。効率よく摂るならサプリが無難です。
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集中力と記憶力がガツンと向上した実力派のサプリがこちら
ダークチョコと緑茶
エビデンスレベル:
手軽さ :
カカオとLテアニンを併用して飲んで注意力の向上が見られた研究が出ています。カカオは認知機能の向上が色々な研究で確認されていますが、神経への刺激作用や血圧の上昇というデメリットがありました。それを防ぐのがLテアニンです。つまり、ダークチョコで認知機能アップをさせつつ、デメリットは緑茶で抑えるわけですね。ちなみに砂糖も効果に含まれているので、カカオ100%はオススメできません。
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おやつはダークチョコとお茶で決まり!集中力アップできるお菓子がこちら
クルクミン
エビデンスレベル:
手軽さ :
クルクミンはウコンに含まれるポリフェノールの一種です。実験では1年半飲んでもらって、集中力や記憶力を有意に改善させています。別の研究では1ヶ月間飲んでワーキングメモリや気分の改善も見られています。しかし実験に使われたサプリがやや高額なのは難点です。
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健康な成人の集中力・記憶力を向上させた「クルクミン」の話
科学的に正しい休憩方法
休憩
エビデンスレベル:
手軽さ :
前提として休憩は集中力を改善するのに有効です。研究でも「休息」「継続」「切り替え」に分けて比較をすると、休憩でパフォーマンスが大幅に改善しています。著者も完全なパフォーマンスの回復には、集中が必要な作業を完全に休止することを推奨しています。逆に継続して作業を続けた人はパフォーマンスが落ち込み続けました。適度に休憩を挟むことが集中力を維持するためには必須です。
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休憩isベスト!集中力を維持したければ休息こそ最善なのだ
自然音
エビデンスレベル:
手軽さ :
自然音を聞くとストレスからの回復が雑音と比較して、9-37%早いとわかっています。また作業の前に5分25秒間自然音を聞いてもらうと、注意力の向上(反応時間)が有意に低かったです。つまり、勉強前や休憩のタイミングで自然音を聞くことで、ストレスや注意力を改善しながらできるわけです。ただし自然音を聞きながら作業をして集中できるという意味ではないのでご注意ください。(イラストは本を読みながらになっていますが休憩中です)
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ほんと優秀!勉強の休憩は〇〇音を聞くと集中力やストレスを回復するよ
屋外で歩く
エビデンスレベル:
手軽さ :
屋内外と散歩・休憩で比較した研究では、屋外で歩いたグループが最も回復的だったという結果が出ています。著者いわく屋内での休憩は仕事や勉強と関連付けしている可能性があるとか。仕事や勉強で休憩をしたくなったら、外へ出て歩くのがオススメです。
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集中できなくなったら、屋内で休んでは”いけない”という研究
腹式呼吸
エビデンスレベル:
手軽さ :
15分間の腹式呼吸で持続的注意の改善が確認されています。ちなみに8週間後には唾液コルチゾール(ストレスホルモン)も有意に減少していました。腹式呼吸は自律神経に影響を与えて、認知機能を調節した可能性があるとか。たった15分でできるので、休憩時にオススメです。
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こりゃあ良い!集中力とストレスをお手軽に改善した研究がスゴイ
【睡眠不足時】昼寝は休憩よりもパフォーマンス低下を抑えた
エビデンスレベル:
手軽さ :
睡眠不足時の休憩はただ休むよりも昼寝の方が効果的です。具体的には注意力の有意な改善や回復が大きい傾向が見られました。実験では1時間の昼寝をしていて、睡眠不足の悪影響も部分的に改善されています。もし睡眠不足であれば、普通に休憩するよりも昼寝をするのがおすすめです。
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睡眠不足時にパフォーマンスを上げるなら「昼寝」か「休息」か
ラベンダー
エビデンスレベル:
手軽さ :
ラベンダーは日中使うと、算術推論能力の低下やワーキングメモリの減少が見られています。しかし、20分の休憩で使用されたラベンダーはパフォーマンスが低下する時間帯でも、作業効率が維持されました。研究では最も作業効率が低かったのは午後2時30-3時30分だったので、その前のタイミングでラベンダーを使って休憩すると効果的です。
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ラベンダーはタイミングによって集中力を向上させるアイテムになる
自然の写真
エビデンスレベル:
手軽さ :
最短で集中力を回復させる方法として自然の写真があります。研究では40秒自然の写真を見てもらうと、注意力が改善・維持されました。つまり、スマホやパソコンの壁紙を自然の写真にするだけで、マイクロブレイクのときに自然と触れ合う時間が増える可能性があります。個人的にもスマホのロック画面やパソコンの壁紙は自然の写真です。
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【おそらく最短】1分以内で集中力を回復させる方法がこちら
過去の失敗を殴り書きする
エビデンスレベル:
手軽さ :
過去の失敗について書くと、集中力やストレスが改善するとわかっています。研究では自分が成功しなかった厳しい時期について10分間書いてもらいました。その後慎重さが増し、課題の精度が上昇しています。ストレスが集中力に対して有害という研究もあるので、その影響もありそうです。
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過去の失敗を殴り書きすればストレス・集中力ともに改善させられるぞ
集中力を低下させる原因
音楽
エビデンスレベル:
手軽さ :
勉強や仕事で音楽を聞くのはパフォーマンスを低下させる可能性が高いです。音楽は集中したい対象から注意をそらしてしまうため、集中力を低下させてしまうわけです。ちなみにこれはBGMのリズムや好き嫌いに問わず、逆効果となります。特に勉強中に音楽を聞く人は読解力や記憶力の低下が確認されているので、ご注意ください。
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音楽を聞きながらの作業は集中力を上げるのか?下げるのか?問題
睡眠不足
エビデンスレベル:
対策のしやすさ :
睡眠不足は持続的注意課題のパフォーマンスを低下させます。研究では睡眠不足でも報酬があれば、パフォーマンスの低下を部分的に軽減することができました。しかし報酬が安すぎると、十分な効果を引き出すことができません。
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睡眠不足の状態で集中するのは至難?睡眠不足時に集中したいときの対処法
マルチタスク
エビデンスレベル:
対策のしやすさ :
マルチタスクは大幅にパフォーマンスを低下させるとわかっています。研究では「マルチタスク」と「作業の切り替え」はどちらも成績を落としました。一度に複数のタスクを与えられると、タスク間でジャグリングしてしまい生産性が落ちてしまうとか。集中の言葉の通り、今行うべき仕事は1つにするべきです。
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シングルVSマルチ!マルチタスクはパフォーマンスを上げるのか?
スマホが机にある
エビデンスレベル:
対策のしやすさ :
スマホが机の上に置いてあるだけで集中力は低下します。研究ではスマホの存在が強くなるだけ、注意リソースがもっていかれパフォーマンスの低下につながるとわかりました。特にこの結果はスマホの依存度によっても変化し、電源のオンとオフは関係がありません。スマホに対して依存度が低ければ問題はありませんが、普通にスマホを使っている人はバックかポケットに入れるのが理想的です。
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【衝撃の結果】スマホの集中力低下はスマホの依存度によって変わる
アルコール・二日酔い
エビデンスレベル:
対策のしやすさ :
アルコールは集中力と記憶力を低下させるとわかっています。当然ですが、アルコール摂取量が多いほど、翌日のパフォーマンス低下が大きくなります。アルコールの摂取量はビール中瓶3杯分やワイン5杯とかで悪影響が出ています。飲み会ならほとんど超えてしまう量なので、翌日のパフォーマンス低下は防げません。
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お酒の悪影響が強烈!アルコールが翌日の集中力・記憶力を根こそぎ奪う
他人の電話
エビデンスレベル:
対策のしやすさ :
他人の電話はやや特殊で、パフォーマンスの低下につながっています。というのも、ただ音が聞こえたから注意散漫になるわけではなく、片側の会話だけで内容をすべて把握できないから脳のリソースをもっていかれるわけです。実際に研究では、問題解決能力が著しく低下しています。対策としてはサウンドマスキングやイヤホンで音楽を聞くなどが挙げられています。
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他人の電話が集中力を劇的に損なうというありそうでなかった研究
ブルーライトを浴びない
エビデンスレベル:
対策のしやすさ :
1ヶ月間ブルーライトをカットし続けた研究では、集中力やワーキングメモリに悪影響が出ました。別の研究ではブルーライトを浴びることで、集中力やワーキングメモリも改善しています。つまり、日光を浴びない生活をしている人は集中力やワーキングメモリが低下した状態になっている可能性があります。
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ブルーライトを浴びないと集中力・ワーキングメモリはだだ下がりする
スマホの通知
エビデンスレベル:
対策のしやすさ :
スマホの通知はエラー率を有意に増加させます。特にテキストメッセージの通知よりも電話の通知の方がパフォーマンスを著しく低下させました。勉強や仕事で集中したいときはスマホの通知はオフにしておくのがオススメです。
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【警告】たった1秒のスマホ通知が集中力を著しく低下させる