目標、フィードバック、インセンティブ。集中力を上げたのはもちろん...

集中力

 

持続的注意力を高める方法として「目標設定」「フィードバック」「インセンティブ」を比較した研究では、フィードバックが唯一改善を示しました。

 

フィードバックは持続的注意力を高める

この研究(1)は「目標設定」「フィードバック」「インセンティブ」がマインドワンダリングや集中力に与える影響を調査したものです。

 

メモ

マインドワンダリングとは、目の前にある課題に集中できず、心がさまよう状態のことを言います。

 

今回の研究は実験を3つ行っているので、サクッと見ていきます。

 

1.目標設定

実験1では目標設定がマインドワンダリングや集中力に与える影響を検証しました。この実験ではオレゴン大学の学生105人を対象として、以下の3つに分かれてもらいました。

 

グループ分け

  1. 難しい目標群:優れた成績がどのくらいかを伝える
  2. 簡単な目標群:平均がどのくらいかを伝える
  3. 目標なし群

 

そして、参加者は全員持続的注意課題をやってもらったわけです。結果は以下のような感じ。

 

結果

  • グループ間でほぼ違いは見つからなかった
  • ほぼ全てでパフォーマンス低下や集中力、やる気が減少した

 

総じて言うと、目標設定だけでは集中力やタスクパフォーマンスは改善しませんでした。目標の比較でいえば、難しい目標の方がわずかに良かったです。

 

2.フィードバック

目標設定だけで効果がなかった理由の1つとして達成したのかどうかのフィードバックがなかった点が挙げられました。そこで実験2では目標とフィードバックを組み合わせで検証しています。

今回の実験では139人の男女を対象として、以下の4つに分かれてもらいました。

 

グループ分け

  1. 目標+フィードバック群:35人
  2. 目標+フィードバックなし群:35人
  3. 目標なし+フィードバック群:35人
  4. 目標なし+フィードバックなし群:34人

 

フィードバックは課題中に「目標を達成するペースで進んでいます」とか「ペースが遅れています。より早く回答してください」などと画面に表示されました。

課題は実験1と同じで、結果は以下のような感じ。

 

結果

  • フィードバックは反応時間が速くなり、エラー回数も減少した
  • フィードバックはマインドワンダリングを減少した
  • 目標の有無はタスクパフォーマンスにほとんど影響しなかった

 

結果を見ると、フィードバックは集中力に促進的な効果を及ぼしますが、目標設定は影響がありませんでした。意外なことにフィードバックがあれば、目標と組み合わせる必要はなかったわけです。

しかも、フィードバックが偽であっても、課題の反応時間を減らすことが発見されています。

 

3.インセンティブ

実験3ではインセンティブと集中力について検証しました。インセンティブとは、モチベーションを高める刺激のことです。例えば、子供に勉強させるために「成績がクラス5位以内ならゲームを買う」と約束することなどが挙げられます。

この実験では118人を対象として、以下の3つに分けました。

 

グループ分け

  1. 時間群:課題の途中で目標を達成した場合、早く帰れると指示
  2. お金群:課題の途中で目標を達成した場合、追加で10ドル渡すと指示
  3. インセンティブなし群

 

そして実験1と同じ課題をやってもらいました。結果は以下のような感じ。

 

結果

  • インセンティブはパフォーマンスを向上させなかった
  • 時間群は他2つと比べて全体的に高い注意力とモチベーションだった
  • お金群は最も低いモチベーションだった

 

意外なことにお金群が最も低く、時間群が高い集中力とモチベーションを持っていました。とはいえ、インセンティブは集中力に大きな影響を与えず、マインドワンダリングも減少させませんでした。

 

まとめ

まとめると、目標とインセンティブを組み合わせても、マインドワンダリングの減少や集中力向上は確認できませんでした。しかし、フィードバックに関しては集中力・マインドワンダリングともに改善させました。

実験では課題がどのくらいのペースで進んでいるかをフィードバックしていました。なので、仕事や勉強でもどのくらいのペースで進んでいるかをフィードバックしてみると良さそうですね。

それではぜひ参考に。

 

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