【ゲームで集中力向上】ゲーマーの脳は良くも悪くも変化してるという研究

ゲーム

 

今回はゲームで脳はどのように変化するのかを解説します。

 

ビデオゲームと脳の系統的レビュー

この研究(1)はビデオゲームと脳の神経の関係を調査した系統的レビューです。1992年~2016年まで発表された論文を精査すると、116件の研究が選択基準を満たしていました。

内訳は以下のような感じ。

 

論文の内訳

  1. 機能的データ(集中力アップなど):100件
  2. 脳の構造変化:22件

 

そして、サンプル数は3880人でほとんどが若い男性でした。ゲーム時間は少ないグループで週5時間未満、過剰なグループで最低週10時間以上です。本当にゲームやっている人からすると、少ないような気もします。

 

結果は?

結果はゲームで脳の働きや構造が変わることが示されています。しかし、それは良い点・悪い点どちらもあるので、それぞれ見ていきます。

 

1.注意(集中力など)

ゲームと注意力は最も研究されている認知の1つです。というのも、習慣的にゲームをしている人ほど、集中力や選択的注意力を改善すると示されているからです。

 

メモ

選択的注意力とは、情報の取捨選択を行い、自分にとって重要な事柄に注意を向けることです。

 

ある研究ではゲーマーの人は注意力を司る脳領域がとても効率的で、複雑なタスクにおいても注意を持続させるために必要な活性化が少ないとわかっています。凄いですね。

ちなみにアクションゲームはRPGやパズルゲームのような遅いゲームよりも選択的注意力の向上に優れているとか。これはアクションゲームが必要とする正確なタイミングと対になった注意システムの使用によるものと考えられています。

 

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2.視覚空間スキル

研究ではゲームが視覚空間スキルに関連した脳領域を変化させると発表されています。具体的には、右海馬の体積拡大との関連が確認されました。

また後頭頂部領域における活性化の減少も見られています。これはゲームトレーニングによって認知コストが減少し、視運動課題遂行能力の改善につながったとか。何年もトレーニングをしていると、視覚的タスクで早い反応時間につながる可能性があります。

 

3.認知制御

ゲームは複数の操作が可能な中から1つを使わなければならない状況がよくあります。そこで鍵となるのは認知制御です。この認知制御の変化はほとんど前頭前野で検出されます。実際前頭前野はゲームによる認知トレーニングの後で、灰白質体積の変化が確認されています。

一方でゲームが記憶力に影響を与えた研究も多いです。高齢者を対象にした戦略ゲームでは言語記憶を改善しましたが、問題解決やワーキングメモリは改善しませんでした。逆に若い人を対象にした研究では、アクションゲームでワーキングメモリの改善が確認されています。

この辺りはゲームのジャンルによって影響を与えるスキルが異なると考えられています。

 

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4.スキル獲得

ゲームの学習は視空間スキルや視運動統合、運動などの非宣言的なものです。

 

メモ

非宣言的とは、言葉にできないもののことです。例えば、りんごが赤いことを知ったとき「りんごは赤い」と文章にすることができます。これは宣言的記憶の一種です。一方で車の運転や泳ぎ方など言葉にはできないものの、学習できるものを非宣言的と呼びます。

 

ゲームによる非宣言的な脳領域の改善は線条体・内側前頭前野の独特な活性化パターンを示し、スキル獲得のために活性を増加させていると考えられています。

特に線条体の体積はスキル獲得の予測因子として考えられていて、複雑な操作が必要なゲームにおけるスキル獲得を正確に予測する領域だとか。研究では線条体の活動とゲームのパフォーマンスレベルの関係が確認されています。

 

5.報酬処理

ゲームの問題点としてゲーム依存症が挙げられます。ゲーム依存症のゲーマーはプロゲーマーには見られない衝動性や忍耐力エラーの増加が示されています。

実際にゲーム依存症の脳を調べてみると、神経報酬システムに機能的・構造的な変化が見られました。しかも他の中毒疾患と共通する変化で、中毒の危険性があるといえるでしょう。

 

暴力的なゲームで脳機能低下?

暴力的なコンテンツにさらされると、背外側前頭前野の活動が低下したり、実行タスクが妨害されたりするとわかっています。また暴力的なコンテンツに繰り返しさらされると、脱感作プロセスが引き起こされる可能性がある点です。脱感作とは、繰り返し刺激を受けると、恐怖や不安を察知できないように変化していくプロセスのことですね。

つまり、暴力的な状況に対して感情的な反応を減少させて、感情移入を防いでしまうわけです。

また他の研究では神経症性が高く、良心性や共感性が低い人は暴力的なゲームの影響を受けやすいとわかっています。ゲーマーは暴力的な内容に慣れていますが、ゲーマーがリアルの暴力とバーチャルの暴力を区別する能力は失っていないということもわかっています。暴力的なゲームをしたからといって、現実と区別できなくなるわけではありません。

 

まとめ

ゲームはさまざまな脳機能や行動の変化、認知能力に影響を与えます。

 

診断内容

  1. 良い面:集中力や選択的注意の改善、海馬体積の増加、ワーキングメモリの改善
  2. 悪い面:脳の報酬システムが変化しゲーム依存症、暴力的な内容で脳機能低下

 

ゲームは良くも悪くも脳に影響を与えてしまうとわかりました。また今回は出てきませんでしたが、マインクラフトで創造性が向上した研究もあります。

 

マインクラフト
創造性を高めたいならマインクラフトで遊べ!は正しいが注意しないと...。

 

それではぜひ参考に。

 

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