自然が集中力を回復させるという話は有名です。新しい研究では「観葉植物」「人工植物」「自然の写真」の中で、観葉植物だけがシータ波を改善したと発表されています。
自然の効果を比較した研究
この研究(1)は自然の4つの状態を見ながら、脳波を見ていくというシンプルな実験です。23人の小学生を対象として行われました。参加者には以下の4つをランダムで見てもらっています。
グループ分け
- 観葉植物(a)
- 人工植物(b)
- 植物の写真(c)
- 植物なし(d)
それぞれは以下のような感じ。
そして、参加者には脳波を測定するデバイスを取り付けてもらい、3分間ずつ提示しました。後はアンケートで、気分状態を調査して終了です。
結果は以下のような感じ。
結果
- 本物の植物で、注意力や集中力の尺度に使われるシータ波が著しく減少した(左前頭葉・右前頭葉)
- アルファ波は変化なし
- 本物の植物で、快適かつポジティブな気分を示した
結果は本物の植物でシータ波が大幅に減少して、注意力を改善すると示唆されました。注意障害の人では、ベータの減少とシータの増加がよく見られています。本物の植物をみた場合はシータの減少なので、注意力を改善したという見方ができるわけですね。
また本物の植物を見た小学生は気分が快適になったと報告しています。植物がメンタル面に良い影響を与えるのは有名なので、不思議はありません。
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自然のメリットを大規模調査すると、想像を超えて偉大だった件
ただし、この研究には限界もあります。著者は以下のように述べています。
緑の観葉植物の視覚刺激は、小学生の注意と快適感を改善する傾向がありました。しかし、この研究には2つの制限があります。 まずサンプルサイズが小さいです。 今後の研究では、植物の視覚刺激の根底にある具体的な生理学的メカニズムを分析するために、より多くの被験者を募集する必要があります。第二に、被験者が異なる植物刺激を受動的に見たときの瞬間的な気分の変化のみを測定しました。
観葉植物は人工的な植物や写真よりも効果的でした。しかし、まだ質の高い研究は少ないですし、さらなる研究が欲しいところです。とはいえ、勉強や仕事をするときは観葉植物を設置してみる価値はあります。
それではぜひ参考に。