今回紹介する研究では定期的にフィードバックをすることで、集中力を向上させました。
集中状態を定期的にフィードバックすると集中力を高められる
この研究(1)では、持続的注意力を改善するのにフィードバックを利用することができると仮説をたてて行われました。
メモ
フィードバックとは物事の結果を見て、改良や調整を行うことです。ざっくり言うと、集中できているかどうかを確認したわけです。
参加者は80人の男女で5グループに分けていますが、説明を簡単にするため以下の2つで解説します。
グループ分け
- フィードバック群:自分の脳からフィードバック
- 間違いフィードバック群:他人の脳からフィードバック
この実験はfMRIで脳の活動をリアルタイムで確認し、フィードバックするという方法で行われています。フィードバックは集中できているなら課題が簡単になり、集中できていないなら難しくなるという具合です。
対照群もこの話を聞いていましたが、実際にフィードバックしたのは他参加者のデータでした。つまり、対照群は間違ったフィードバックを受けたわけですね。で、参加者全員に課題をやってもらうと、以下のことがわかりました。
結果
- 正確なフィードバック群はトレーニング後にフィードバックがなくても結果が改善
- 不正確なフィードバックを受けた対照群は結果が改善しなかった
つまり、正確なフィードバックを受けると、フィードバックなし時も集中力が向上したわけです。しかし、この実験では対照群が間違ったフィードバックを受けているので、普通よりも成績が落ちているだけとも考えられます。そこでフィードバックなし群でも実験しましたが、成績は改善しませんでした。
これらの結果を見ると、自分の集中状態をフィードバックすると、集中力を高められるとわかります。今回はMRIを使っていますが、言い換えれば参加者が自分の集中状態をより良く監視して評価することができるようにしたわけです。
私達が使うなら主観的な判断になりますが、この結果がどこまで適用するかはわかりません。今後個人でもできるフィードバックで実験が行われたら、また紹介します。
それではぜひ参考に。