西オーストラリア大学の研究によると、朝の有酸素運動が認知機能を改善すると発表されました。
1日中認知機能を高めた朝の運動
西オーストラリア大学のマイケルウィラー教授が行った研究(1)では、67人の高齢者を対象として行いました。参加者は以下の3つの条件にランダムで振り分けられました。
グループ分け
- 座り群(対照):8時間座り
- 運動+座り群:1時間座り、30分運動、6.5時間座り
- 運動+休憩群:1時間座り、30分運動、6.5時間座り(30分毎に3分散歩)
運動はトレッドミルで、中程度の傾斜付きウォーキングをしてもらいました。速度は3.2km/時とそこまで早くはありません。3分の散歩についてもトレッドミルを使っていますが、傾斜はありません。
そして、参加者全員から血液サンプルや認知テストをしてもらって実験は終了しています。結果は以下のような感じ。
結果
- 「運動+座り」「運動+休憩」群はワーキングメモリで有意に改善
- 「運動+座り」「運動+休憩」群は有意ではないが、実行機能が改善
- 「運動+座り」「運動+休憩」群は血清BDNFが有意に高かった
- 注意力や精神運動への影響は見られなかった
ということで、朝30分の運動は8時間にわたって認知機能に利益を与えました。特に朝の運動をしてから長時間座っていても、認知機能の向上が持続するのは良いですね。
また著者はこれらの結果から以下のように述べています。
年配の成人で一日中認知を維持するためには、長時間連続して座っていることを避けるべきであると思われます。さらに、我々の調査結果は認知パフォーマンスの側面を改善しようとしている長期的な運動介入のデザインに影響を与える可能性があります。異なる運動戦略を使用して1日にわたって認知能力を最適化することが可能ならば、運動介入デザインの改善につながるかもしれないからです。
今回の研究で最も良かったのは朝に30分の運動をして、30分に一度3分歩いた群でした。これを考えれば、「朝の運動」と「座り続けない」ことが認知パフォーマンスの改善につながる可能性があります。
それではぜひ参考に。