今回はエナジードリンクが集中力や健康にどんな影響を与えるか解説します。
エナジードリンクと集中力の研究
1.エナジードリンクと認知全般を調査した研究
2017年にエナジードリンクと認知機能・気分を調査した研究(1)が発表されました。実験では24人の若者を対象として、以下の3つにランダムにわけました。
グループ分け
- レッドブル(250ml)
- 無糖レッドブル(250ml)
- プラセボ(250ml)
それぞれ飲んでもらってから、テストやアンケートを行っています。認知テストは集中力やワーキングメモリ、エピソード記憶で評価されました。後は気分のアンケートをとって完了です。結果は以下のような感じ。
結果
- レッドブル群は他2つと比較してワーキングメモリとエピソード記憶が中程度の改善
- 特に記憶の正確さと速度が改善していた
- 効果が現れたのは主に30-90分後
- ノンシュガーは認知機能への影響がなかった
上記のように、レッドブルは記憶力に良い影響を与えました。特に記憶力だけでなく、情報を取得する速度も向上しています。この実験ではレッドブルが認知機能に良い影響を与えると考えて良いでしょう。
2.エナジードリンクが運動や集中力を改善しなかった研究
(1)の研究とは、逆に認知機能を改善しなかった研究(2)も発表されています。この研究はコロンビア軍兵士14人を対象として行われました。実験では3回のフィットネステストと2回の認知テストをしています。参加者は以下の5つのグループにランダムで分けています。
カフェイン | タウリン | |
---|---|---|
プラセボ | 0 | 0 |
カフェイン | 80 | 0 |
カフェイン+タウリン | 80 | 1000 |
タウリン | 0 | 1000 |
レッドブル | 80 | 1000 |
レッドブル以外の4つは、味や香りをレッドブルに寄せています。で、結果は以下のような感じ。
結果
- 心拍数・酸素消費量、消耗までの時間に有意差なし
- 握力に変化なし
- 集中力・記憶力に有意差なし
- 飲んでから悪影響は確認されていない
という感じで、レッドブルには運動パフォーマンスや認知機能に良い影響が確認されませんでした。著者によると、量が不十分か効果がないためと説明しています。カフェインとプラセボで違いが出ていない辺り、サンプル数の問題かなとも感じますね。とはいえ、比較の仕方は良い感じなので、参考にはなりますね。
まとめ
エナジードリンクの認知機能への効果はバラバラです。エナジードリンクが特別な効果があるという結果は出ていませんし、個人的にはコーヒーで十分と考えています。このあたりは好みの問題なので、判断の参考にしてみてください。