今回はココアが集中力を部分的に改善するかもしれない研究を紹介します。
ココアフラバノールと注意力を調査した研究
2018年にココアフラバノールと注意力を調査した研究(1)が発表されました。
メモ
ココアフラバノールとは、カカオに含まれるポリフェノールのことです。主に抗酸化作用や認知機能の改善が確認されています。
で、そんな中カカオフラバノールが注意力にも影響すると考えたわけです。この研究は48人の男女を対象として、4日間行われました。実験の流れは以下のような感じ。
実験の流れ
- 参加者に飲み物を飲んでもらう(参加者は中身を知らない)
- 視力検査や色覚検査、身長体重を測定
- 実験課題をやってもらう
飲み物はランダムで以下の4つに分けています。
グループ分け
- 高フラバノールのココア(747mg)
- 低フラバノールのココア(374mg)
- プラセボココア(フラバノールなし)
- ベースライン(砂糖水)
そして、参加者全員に注意力を測定するテストをしてもらいました。結果は以下のような感じ。
結果
- 両方のココアフラバノールは時間的注意に影響なし
- 両方のココアフラバノールは作業の正確さを失うことなく、反応時間を改善した
このことから、ココアフラバノールが空間的注意の効率を改善するとわかります。空間的注意とは、視界にある物体へ注意を向けられることを言います。つまり、視界にある何かを見つける能力が改善されたわけです。ちなみにココアフラバノールの量に関わらず、反応時間は改善しました。
論文によれば、メカニズムは以下のように考えられています。
考えられているメカニズム
- ココアフラバノールは認知機能改善の血糖調節を改善するパターン
- ココアフラバノールが神経伝達の情報処理そのものに影響を与えるパターン
今回の実験は認知機能全般というよりも部分的な効果だったので、血流よりも神経伝達の変化に関係しているかもとのことです。
著者はココアフラバノールが注意のいくつかの側面を改善する可能性があるとしています。とはいえ、ココアを飲んで集中力の強化をできるかは疑問ですね。一応、部分的に集中力を改善できるとは言えそうですが、目に見えて変化するってことはなさそうです。ピュアココアを飲んで損はないので、試してみる価値はあります。
それではぜひ参考に。