ランダム化比較試験では、15分の腹式呼吸が集中力とストレスを一気に改善したと発表されました。
腹式呼吸が集中力とストレスを改善した研究
この研究(1)は40人の男女を対象として行われたRCTです。参加者は以下の2つにランダムで分けられました。
グループ分け
- 腹式呼吸群:20人
- 対照群:20人
今回の実験は、15分の安静時呼吸と15分の腹式呼吸の練習を8週間にわたって20回行いました。そして、心理測定や唾液サンプルを採取すると、結果は以下のような感じ。
結果
- 腹式呼吸の15分後に持続的注意で改善が見られた
- 唾液コルチゾール濃度が有意に減少した
実験の結果は腹式呼吸が集中力とストレスを改善すると示しています。特に集中力に関しては8週間ではなく、一度の腹式呼吸で改善が見られました。
過去の研究でも瞑想5日間で集中力の改善がみられていましたが、今回はそれよりもかなり短いです。著者はこのメカニズムについて以下のように述べています。
我々は横隔膜呼吸から得られた弛緩が注意力試験の成績を改善することを提案する。
~中略~
横隔膜呼吸が行われたときに心拍数変動が増加することを示し、交感神経系と副交感神経系との間の活動バランスを示した。したがって、横隔膜呼吸が自律神経系に主に影響を与えることによって認知能力を調節する可能性があることを推論することは合理的です。
ストレスに関しても生理学的に改善が見られているので、中々良いですね。
仕事や勉強で集中できなくなった時やストレスを感じた時はやる価値があります。