お酒を飲んだあとにエナジードリンクという流れは定番です。しかし、ボストン大学の研究では、アルコールを飲んだ状態でカフェインを飲んでも悪影響は軽減できないという調査結果が発表されました。
アルコールの悪影響をカフェインで緩和できなかった研究
この研究(1)はボストンの127人の20代を対象として行われました。研究は2×2のランダム化比較試験です。
グループ分け
- カフェイン入りのビール:28人
- ノンカフェインのビール:35人
- カフェイン入りのノンアルコールビール:26人
- ノンカフェインのノンアルコールビール:32人
それぞれ飲んでもらってから30分後に認知テストを行いました。認知テストの内容は以下のような感じ。
診断内容
- 模擬運転タスク:30分
- 持続的注意タスク(PVT):10分
結果は以下のような感じです。
結果
- 模擬運転タスクではカフェインの有意差は示さなかった
- アルコールはノンアルコールと比較して事故の危険性が増加した
- アルコールが持続的注意課題を有意に悪い反応時間を示した
- カフェインは持続的注意課題で有意差がなかった
これらの結果から、アルコールを飲んだ状態でカフェインを飲んでも、悪影響は軽減できないとわかりました。アルコールは模擬運転タスクで速度や横の動き、事故が増加しています。
つまり、酔った状態でカフェインを飲んでも、判断の正確性や集中力に関しては全く意味がないということですね。もっといえば、アルコールを飲んでからエナジードリンクを飲むのはお金のムダということになります。
この結果について著者は以下のように述べています。
マーケティング上の主張にかかわらず、多くの研究と一致して、アルコールにカフェインを加えることは安全性に関連するパフォーマンスに有益な効果がありません。アルコールにカフェインが添加されていると言われた場合、カフェインの効果が期待されるとアルコール摂取後のパフォーマンスが悪化することから、アルコールの効果がカフェインによって相殺されることが期待され、飲料が消費される自然環境において有害な効果が生じる可能性がある。
カフェインが入っているとパフォーマンスが上がるような気はしますが、実際には悪くなっているということですね。カフェインで相殺するというのは自然な発想かもしれませんが、効果はないので飲まない方が良いかもしれません。
それではぜひ参考に。
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