有酸素運動と集中力の研究では、週8時間以上の運動をしていた人が高い持続的注意力を持っていると示されています。
有酸素運動と持続的注意力の研究
この研究(1)は44人のボランティア学生を対象として、以下の2つに割り当てました。
グループ分け
- 高レベル運動者:週8時間以上の運動
- 低レベル運動者:週2時間未満の運動
そして、実験の流れは以下のような感じ。
実験の流れ
- 身体測定
- 精神運動覚醒課題:5分
- オドボール課題:27分
- 精神運動覚醒課題:5分
どちらの課題も持続的な注意力(集中力)を測定する課題です。結果はこんな感じ。
結果
- 高レベル運動群は精神運動覚醒課題で全体的に早い反応を示した(わずかに有意)
- 低レベル運動群はオドボール課題で、有意な低下を示した
これらの結果を見ると、有酸素運動は集中力と関連が確認できます。著者は有酸素運動と集中力について以下の仮説を考えているようです。
本知見は運動、特に有酸素運動が心肺機能の適度な向上をもたらし、認知レベルおよび脳レベルでの利益をもたらすことを提案する「心血管仮説」の文脈で解釈することができた。
つまり、「有酸素運動で心肺機能が上がると、脳血流やBDNFが増加して、認知能力に関連しているのでは?」とのことです。とはいえ、まだ仮説の段階なので、明確な因果関係はわかりません。
今回の実験もランダム化比較試験ではありませんし、さらに質の高い研究が欲しいところですね。運動と認知機能は色々な研究で関連が見られているので、ぜひ取り入れてみてください。
それではぜひ参考に。