今回は習慣的なお茶が脳を効率化するという研究を紹介します。
習慣的なお茶が脳に与える影響は?
今回紹介するのは緑茶が脳の構造に積極的に影響しているという研究(1)です。元々緑茶は認知機能に良い影響を与えることが示されていました。
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今回は93人の高齢者を対象としてお茶を飲む頻度とMRIで脳を測定して検証しました。お茶を飲む頻度は以下の6つに分かれています。
グループ分け
- 飲まない
- 月に1回以上週1回以下
- 週1-3回
- 週4-6回
- 1日に1-2回
- 1日に3回以上
また認知テストも12種類行われていて、かなり詳細に測定されています。MRIではコネクティビティネットワークやデフォルト・モード・ネットワークを評価しました。
メモ
デフォルトモードネットワークとは、脳活動の中心になっているネットワークのことです。複数の脳領域と繋がっていて、全体的な脳領域の活動を統括する働きがあると考えられています。
結果は以下のような感じ。
結果
- 認知テストではお茶を飲むグループの方が高い成績が見られた
- お茶を飲んでいる人は有意に低い特徴的経路長だった
- お茶を飲んでいる人は脳のグローバル効率が有意に高かった
- デフォルトモードネットワーク内の機能的結合が有意に増強していた
これらの結果から、お茶が脳構造に見られるネットワーク効率を増加させるとわかりました。特に今回はお茶を飲む人ほど脳領域間の距離が狭く、効率的なつながりが確認されています。これは習慣的にお茶を飲むと脳領域間のつながりが分裂するのを防ぎ、脳の組織にプラスの効果があるということです。
ちなみに面白いのは、コーヒーの消費量はお茶を飲む・飲まないで有意差がなかったことです。コーヒーとお茶はカフェインが主要な成分ではありますが、コーヒーではこの違いが確認できませんでした。
この結果について著者は以下のように述べています。
本研究ではマルチモーダル画像データ(機能的・構造的イメージング)を用いて、グローバルおよび地域規模の両方で脳結合性に及ぼすお茶飲用の影響を包括的に調査し、お茶飲用がネットワーク組織をより効率的にする脳構造に積極的に寄与するという最初の説得力のある証拠を提供した。著者らの研究はお茶を飲むことが認知低下の予防・改善に有効であり、お茶を飲むことが脳の健康に有益な単純なライフスタイル選択である可能性を示唆する。
個人的には緑茶が大好きなので、積極的に飲んでいこうかなと思っております。
それではぜひ参考に。