今回はスマホの影響で心が休まらない研究を紹介します。
スマホの使用が心理的に仕事から離れなくさせている
「夕方にリビングでテレビを見ていて、急に上司から緊急の連絡が入った」という経験は無いでしょうか?対応は人それぞれでしょうが、家にいても休まらないことが問題視されています。
この研究はオンラインアンケートと日記調査で行った実験です。(1)調査は一般アンケートと5日間の日記調査で行われています。参加者は116人で、平均年齢38歳の男女でした。結果は以下のような感じ。
結果
- 仕事中にスマホを使っている人は仕事後にも仕事でスマホを使用する傾向あり(正の相関)
- 作業負荷の高い人ほど、心理的離脱が少ない
- 仕事のテレプレッシャーが仕事・仕事外でのスマホの使用を促進する
- 仕事後のスマホはテレプレッシャーに関係なく、心理的離脱を妨げる
※心理的離脱とは、仕事以外の時間帯に心が仕事から離れられること。
※テレプレッシャーとは、スマホの通知に応答しなければならないというプレッシャーのこと。
これらの結果から、仕事でスマホを使っている人ほど、自宅で休みづらくなっているとわかります。特に仕事のテレプレッシャーに関係なく、仕事から離れられなくなるという結果でした。
心理的離脱ができない状態が続くと、主観的な幸福度が低下していく可能性があります。(2)この問題に対して、著者は以下のように述べています。
私たちは雇用主が仕事関連のメッセージへの対応に関する期待について明確に伝え、従業員に明確な境界を設定するよう奨励することを勧告します。雇用主は、夜間に従業員に連絡を取らないこと、または少なくとも翌営業日まで回答が不要であることを明確に伝えることによって、良い例を示すことができます。一般に、勤務時間外勤務に関する組織の規範について組織が率直にコミュニケーションをとることが重要です。時間外労働は自発的なものに過ぎず、自由時間中に働くことにプレッシャーを感じるべきではありません。
逆に従業員側も仕事中のスマホの使用頻度が高いと感じたら、夜間はスマホの使用を控えてみるといいかもしれないとしています。
仕事中にスマホをよく使う人やスマホの通知に敏感な人は参考に。