睡眠の質をサクッと上げるならウェイトブランケットをオススメしたい

2019年4月23日

ウェイトブランケット

 

ウェイトブランケットは聞き馴染みがありませんが、いわゆる重いブランケットのことです。不眠症と重いブランケットの研究では、睡眠にプラスの影響が発表されました。

 

不眠症の成人にウェイトブランケットを使ってもらった研究

不眠症に対するウェイトブランケットの効果を試した研究(1)では、睡眠にプラスの影響が見られています。この研究は31人の男女を対象として、ウェイトブランケットを使ってもらいました。

ウェイトブランケットの重量は6,8,10kgを選択できて、大多数は8kgのブランケットを選んでいます。実験は以下のような流れでした。

 

実験の流れ

  1. 準備期間:1週間いつものような睡眠
  2. 実験期間:2週間ウェイトブランケットを使用
  3. 実験後:1週間いつものような睡眠

 

そして、睡眠の計測はVAS(主観的な計測)とアクティグラフィー(客観的)、睡眠ポリグラフ(客観的)で行われています。結果は以下のような感じ。

 

結果

  • 加重毛布で平均睡眠時間が増加
  • 加重毛布で夜間の活動が有意に減少
  • 眠るまでの時間・就寝時間が有意に減少
  • 目覚める1時間前の動きが有意に減少
  • 主観的評価で加重毛布で眠るのに好感
  • 主観的評価ではるかに良い睡眠の質だった

 

上記のようにウェイトブランケットは主観的・客観的に見て、睡眠の質を改善するとわかりました。しかし対照群がないので、エビデンスのレベルはやや低めです。

著者らはウェイトブランケットの圧力刺激が不安や睡眠の質を改善することで、心を落ち着かせる効果をもたらした可能性があるとしています。

 

眠ろうとする意思
眠れねぇ!眠ろうとすればするほど、睡眠の質は低くなる

 

ウェイトブランケットはまだ科学的な証拠が少なめ

ウェイトブランケットの研究は子供を対象にしたものだったり、何らかの障害や疾患を持つ人を対象にしたものだったりが多いです。

 

研究メモ

  • ADHDの子供に試したら、入眠時間や覚醒回数が改善(2
  • 自閉症の子供の睡眠時間や入眠時間は変わらなかった(3
  • 情動障害における不眠症の人は入眠時間が大きく短縮し、不眠症状も改善(4

 

上記のような研究が多く、健常者に対するウェイトブランケットの効果は不明です。とはいえ、不安やストレスで眠れない人は試してみる価値がありそうですね。

 

メカニズムは圧迫刺激によるもの

グラビティブランケットの公式によると、ウェイトブランケットが睡眠の質を高めるのは圧迫刺激による影響です。(5)圧迫刺激がメンタルに良い影響を与えるのは科学的にも証明されています。

 

研究メモ

  • 圧迫刺激によって交感神経を減少させ副交感神経を増加させた(6
  • 加重毛布で60%の人が不安を有意に低下させた(7
  • 加重毛布で63%の人が不安を低下させ、血圧や脈拍数を減少(8

 

全体的に心を落ち着かせる働きがあると言えそうですね。ただ公式サイトにあるコルチゾールの低下やメラトニンレベルの向上という結果の研究は見つけられませんでした。

一応、マッサージ療法では全く同じ効果は出ていますが(9)、はっきりとしたことは言えません。とはいえ、不安やストレスで寝れない人は試してみる価値ありです。

 

 

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