睡眠不足が死亡率を高めるというのは有名な話です。しかし、今回紹介する研究では週末に寝だめをすると死亡率の増加を防げるという調査結果が発表されました。
週末の睡眠は死亡率を軽減できるのか?
睡眠と死亡率の研究は系統的レビューが行われていて、短くても長くても高い死亡率との関連が見られています。恐ろしい話ではあるものの、比較的昔から研究は行われていました。
-
-
短い睡眠の末路!エビデンスで見る睡眠不足が与える20の影響
しかし、ほとんどの研究は平日と休日の違いを考慮していません。要するに「自己報告の睡眠は平日の睡眠を反映しているだけで、平日・休日をどちらも調査したら別の結果が出るんじゃない?」というのが今回の研究です。
この研究(1)は38,015人を対象として行われたコホート研究です。質問内容は以下の2つです。
質問内容
- 勤務日/平日の夜は何時間寝ますか?
- 休日の夜は何時間寝ますか?
またこの研究ではわかりやすく短い睡眠を5時間以下、長い睡眠を9時間以上と定義しています。追跡は1997年から2010年までの死亡で、原因別の死亡率まで計算されています。
後は性別や教育、BMI、病気の有無、喫煙、アルコール、運動、雇用状態などを調整して、結果は以下のような感じ。
結果
- 週末に短い睡眠の人は7時間群と比較して52%も有意に高い死亡率と関連していた
- 週末に長い睡眠の人は関連が見られなかった
- 平日の睡眠時間も調整すると、短い睡眠のリスクは減少し統計的有意もなくなった
- 平日休日の療法で5時間以下の睡眠群は65%も高い死亡率と関連していた
- 平日は短く休日は長い睡眠の人は7時間睡眠の人と死亡率と変わらなかった
- 短い睡眠化長い睡眠を持つ人は6,7時間の睡眠をとる人と比較して約8ヶ月早く死亡することを示した
これらの結果から、休日に短い睡眠をする人と死亡リスクの増加は関連しているとわかりました。平日・休日ともに一貫して短い・長い睡眠を取る人は、より高い死亡リスクと関連しています。
しかし、平日に短い睡眠を取り、休日に長い睡眠を取る人は死亡率の増加と関連が見られませんでした。とても面白い結果ですね。
著者はこの結果について以下のように述べています。
この結果は、短い平日の睡眠が中程度または長い週末の睡眠と組み合わされた場合、死亡の危険因子ではないことを意味しています。これは平日の短い睡眠が週末に補われる可能性があること、そして死亡率に影響することを示唆しています。
結果の解釈は推測の域を出ませんが、中々参考になります。休日に長く寝るのは、必ずしも悪くないかもしれませんね。
それではぜひ参考に。