今回はビタミンDと睡眠について解説します。
ビタミンDの欠乏と睡眠障害は関連が見られている
ビタミンD欠乏症と睡眠障害については系統的レビューとメタ分析(1)が発表されています。この系統的レビューでは論文を精査した結果、9件の研究が残りました。
残った研究はほとんど横断研究(1回観察しただけの研究)です。結果は以下のような感じ。
結果
- ビタミンD欠乏症の人は睡眠障害リスクが高い
- 睡眠の質の悪さや短い睡眠時間、眠気とも関連
- ビタミンDが20ng/ml以下だと睡眠障害のリスクを高める可能性あり
全体的な結果は、血中ビタミンDレベルと睡眠障害のリスクが逆相関しているとわかりました。つまり、ビタミンDが少ない人ほど、睡眠障害のリスクが高かったわけです。
ビタミンDサプリが睡眠の質を改善させた
ここで気になるのはビタミンDを摂ると、睡眠の質を改善するのかという点です。2017年に睡眠障害持ちの成人に対してビタミンDをサプリを摂ってもらったRCT(2)が発表されています。
この研究は睡眠障害をもつ89人の成人を対象として行われました。研究では、無作為に以下の2つに分かれてもらっています。
グループ分け
- ビタミンDグループ:44人
- プラセボグループ:45人
実験の期間は8週間で、2週間に一度50,000IUのビタミンDサプリを摂取してもらいました。後は睡眠の測定や血液サンプルを収集して終了しました。結果は以下のような感じ。
ビタミンD | プラセボ | |
---|---|---|
PSQI(睡眠スコア) | 6.75 | 9.73 |
睡眠時間 | 6.5時間 | 5.2時間 |
入眠時間 | 33.18分 | 56.57分 |
睡眠効率 | 86.97% | 80.97% |
※PSQIはスコアが低いほど、質の高い睡眠
結果
- 睡眠スコアは有意に改善
- 睡眠時間はビタミンD群が有意に伸びた
- 入眠時間はビタミンD群が有意に短縮
- 睡眠効率はビタミンD群が有意に上昇
これらの結果から、2週間に一度50000IUのビタミンDサプリを飲むと、睡眠が有意に改善するとわかります。この研究でビタミンDサプリが寝るまでの時間を減らして、睡眠時間を増加させると発見しました。
個人的な意見では、1日に3500IUずつ摂る方が無難かなと考えています。ビタミンDは睡眠以外にも、免疫やメンタルと関連しているので、サプリで摂るのはとてもオススメです。