「簡単に睡眠の質を上げたい」という声はよく聞きますが、個人的におすすめなのが換気です。実は室内の換気レベルが低下するごとに、睡眠の質が悪くなるという調査結果が発表されています。
寝室の”換気”で睡眠が改善した研究
この研究(1)は17人の20代男女を対象として行われました。参加者は全員オランダのアイントホーフェン周辺の在住で、ほとんどアパートに住んでいます。
そして、参加者は窓を開けるか閉じるかで2つに分けられています。
グループ分け
- オープン→クローズ
- クローズ→オープン
研究期間は1週間ずつで、寝室のレイアウトをその間は一貫していました。そして、評価内容は以下のような感じ。
診断内容
- PSQI
- GSQS
- 睡眠日記
- アクティグラフィー
- センスウェア
- フレックスセンサー
ざっくりいうと、主観的にも客観的にも睡眠やCO2、室温などを測定できる内容です。
結果は以下のような感じ。
結果
- 窓を閉じると、開放しているよりも有意に高いCO2レベルだった
- CO2が増加すると、睡眠深度は減少した
- CO2レベルと睡眠の質・中途覚醒・睡眠効率は相関を示した
結果は主観的・客観的にも、寝室換気レベルの減少とともに睡眠の質が悪化するとわかりました。特に今回は客観的な指標も分析しているのが素晴らしいですね。ざっくりいえば、換気していないと睡眠が浅くなるとわかります。
また窓を開放すると、有意に低いCO2レベルと示されていますし、睡眠に換気は重要ですね。二酸化炭素濃度を測定できる人は約1200ppmを目安にしてみてください。今回の研究ではここを境にして、睡眠中の活動率が低くなりました。
このことから換気の上では窓を開けるのが良いですが、注意点もあります。
実験結果はドアの開放が窓の開放よりもかなり静かであることが示されたので、周囲の領域におけるノイズレベルにも関連し得る。しかし、睡眠に悪影響を及ぼす騒音は広く受け入れられている現象であるが、ある種の騒音パターン(ホワイトノイズのような)は睡眠にプラスの影響を与える可能性がある。このことは、交通の単調な流れが一部の睡眠者にとっては、睡眠に必ずしも影響しない単なるホワイトノイズである可能性があるため、問題を生じさせる。
窓を開けるのは良いですが、騒音の問題もあるので一概に推奨はできません。ただ著者によると、単調な音のパターンは睡眠に必ずしも影響がないようなので、一度試してみる価値はあるかと思います。最悪、耳栓などでも対処はできるので、以下の記事もぜひ参考に。
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うるさくて眠れないときの耳栓は科学的にどこまで効果ある?
個人的にも寝るときに換気は実践しようと思っております。ただ騒音よりも虫の方が嫌なので、対処法を考えなければいけないですね。
それではぜひ参考に。