ネットにデマ情報多すぎ!睡眠の専門チームが語る20の睡眠神話まとめ

睡眠神話

 

今回は睡眠の専門チームがまとめた睡眠のデマ情報について解説します。

 

ネットに広がる睡眠のデマ情報を調査した研究

この研究(1)は新聞やネットに書かれたデマ情報を10人の専門家チームで調査していくというものです。睡眠に関する一般的な50の神話を20のリストに統合しました。20個のデマ情報は以下の6つに分類されています。

 

分類

  1. 睡眠時間
  2. 睡眠のタイミング
  3. 睡眠中の行動
  4. 睡眠に関連した日中の行動
  5. 就寝前の行動
  6. 睡眠における脳機能

 

またそれぞれのデマ情報はニセモノ度や公衆衛生上の重要度でランク付けされているので、それぞれ見ていきましょう。

 

睡眠時間

1.「いつでもどこでも」眠れることは、健全な睡眠である

偽評価:

重要度:

 

「いつでもどこでも」眠れるのは慢性的な睡眠不足が原因である可能性があります。日中の眠気は閉塞性睡眠時無呼吸症候群という病気の特徴でもあるので、注意が必要です。特に自動車の事故なども危険性が高くなります。

 

2.多くの成人は健康のために5時間以下の睡眠しか必要としない

偽評価:

重要度:

 

ほとんどの成人は7時間の睡眠が推奨されています。5時間以下の睡眠は心血管系やメンタル、免疫に関連する有害事象と関連が見られています。本当にこんな情報を流しているメディアがあるのかは疑問ですけどね。

 

3.睡眠時間が少ないと、脳と体は適応する

偽評価:

重要度:

 

睡眠不足になると、眠気レベルは最初の数日間で増加します。また起きていられないという客観的な尺度も時間の経過とともに着実に増加し続けるので、デマ情報です。ちなみに睡眠時間が少ない夜勤労働者は乳がんの発症率や死亡率が高いので、短い睡眠に体が適応することはありません。

 

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4.大人は年を取るほど睡眠時間が増える

偽評価:

重要度:

 

過去のメタ分析では、高齢者が若い成人よりも睡眠時間が少ないことを示しています。この睡眠時間の短さは部分的に合併症が原因である可能性があるとか。個人的にも高齢者は睡眠時間が長い印象があったので、見直さなければいけませんね。

 

5.長い睡眠時間は常に優れている

偽評価:

重要度:

 

研究としては長い睡眠時間と死亡率に関連が見られています。しかし、短い睡眠時間とは違って、明確な実験的証拠はなく、長時間睡眠についてひとつのまとまった答えは出ていないようです。

長い睡眠時間でパフォーマンスの向上は見られていますが、不眠症の人が長時間寝ると、睡眠が細分化して悪循環が見られるケースもあります。全体的に見て、長時間睡眠が常にいい結果を出しているわけではないので注意が必要です。

 

6.一晩の睡眠不足は、健康に悪影響を及ぼす

偽評価:

重要度:

 

一晩の睡眠不足は複数の短期的な悪影響が見られています。メタ分析では認知機能で悪い成績が確認されていますし、血圧の上昇なんかもあるとか。とはいえ、短い睡眠不足後に正しい睡眠をすると、ベースラインに戻るのでその辺りは問題ありません。

 

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睡眠のタイミング

7.何時に寝ても健康面に影響しない

偽評価:

重要度:

 

夜勤労働者に関する研究では、夜勤労働者は睡眠時間が短く、質も低いと報告されています。またうつ病や糖尿病、乳がんリスクも高いです。これらを考えると、睡眠のタイミングは健康に関連しているとわかります。

 

睡眠中の行動

8.目を閉じてベッドで横になるのは、寝るのと同じくらい良い

偽評価:

重要度:

 

睡眠中の脳活動は起きている時と全く異なるパターンになります。また深部体温も睡眠中に低下するとわかっているので、この辺りも目を閉じて横になるのとは違う点です。上記のように「人が眠っているとき」と「目を閉じているだけ」では明らかに違うとわかります。

 

9.寝付きが悪いなら、ベッドに横になって眠ろうとするのがベスト

偽評価:

重要度:

 

寝付きが悪い人は刺激制御療法に従うよう指示されます。この方法は眠れないならベッドから離れて、眠くなったらベッドに戻るのが基本方針です。この方法で眠りにつくまでの時間の短縮など、著しい改善が見られています。

 

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10.パートナーにとっては迷惑であるが、大きないびきはほとんど無害である

偽評価:

重要度:

 

アメリカの成人を対象にした大規模研究では、いびきと有害な健康問題と関連していると報告されています。特に心血管系の問題と関連が見られているようですが、きちんと悪影響が確認されているんですね。

 

11.健全な睡眠の人は夜動くことはめったにない

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重要度:

 

たまに動くことは正常な睡眠の一部として記録されています。睡眠中の運動回数は一生を通じて変化し、18-30歳の間で最も少ないです。しかし、長期にわたって慢性的でもない限り、小さな運動は正常な睡眠です。

 

睡眠に関連する昼間の行動

12.アラームが最初に鳴った時に起きるよりも、起きた時にスヌーズを設定する方が良い

偽評価:

重要度:

 

スヌーズによる睡眠の断片化は、精神的な柔軟性の低下や主観的な気分低下と関連しています。なので、複数のアラームを設定するよりも、起きるべきときにアラームで起床するのが最善と言えます。

 

13.眠れないのであれば、午後に仮眠をとるのが適切な睡眠法である

偽評価:

重要度:

 

昼寝は睡眠不足を補うために使用できます。実際にシエスタという文化が一般的にありますしね。

しかし、昼寝は夜の不眠を持続させ、健康への影響を減らす可能性があるとも示されています。特に夜眠れない経験をした人が昼寝をするべきというアドバイスには疑問を投げかけています。

 

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就寝前の行動

14.寝る前にお酒を飲むとよく眠れる

偽評価:

重要度:

 

寝る前のお酒は寝酒として有名ですね。しかし、研究では就寝前のアルコールで睡眠が浅くなるとわかっています。また睡眠時無呼吸症候群を悪化させることでも知られていますね。全体的に見て、睡眠に対しては否定的な結果が多いです。

 

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15.寝るには、涼しい寝室より暖かい寝室の方がいい

偽評価:

重要度:

 

研究では温かい環境と睡眠不足は関連しているとわかっています。睡眠と気温に関しては18~21度が推奨されることが多いので、中程度の否定とのことです。

 

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16.十分な睡眠をとっていても、退屈すると眠くなる

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重要度:

 

退屈な講義や会議で眠くなるのは経験的にもよくあります。しかし、60時間も強制的に安静にしてもらう実験では1日7時間以上眠りましたが、日中に眠ることはありませんでした。この結果から見ても、退屈だけで眠気が起こるわけではないようです。

 

17.ベッドでテレビを見るのは寝る前にリラックスするのに良い方法だ

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重要度:

 

研究では、就寝前の目覚めがテレビ視聴と睡眠困難性の関係を仲介すると報告されています。過去の記事でも、就寝前の行動の中で動画視聴が最も睡眠に悪影響を示していました。

 

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就寝前にテレビを見るのは最適なリラックスではないかもしれませんね。

 

18.就寝前4時間以内の運動は睡眠を妨げる

偽評価:

重要度:

 

過去のメタ分析でも、夕方に運動しても睡眠に悪影響はないと報告されています。また別の実験では激しい夜間の運動後に睡眠障害は示されませんでした。このように、夜に運動をすると、必ず不眠になるというわけではありません。

 

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脳機能と睡眠

19.睡眠中、脳は活動的ではない

偽評価:

重要度:

 

脳は睡眠中に活発でないように見えますが、研究では活動的だと示されています。睡眠は脳から神経毒性老廃物を排除し、脳波も振り幅が大きくなります。寝ているときも脳が働いているのは有名な話かもしれませんね。

 

20.夢を見ることは良い眠りのサインだ

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重要度:

 

睡眠時間と夢の想起を比較した研究では、睡眠時間と夢に関連が示されています。長い睡眠時間は夢が見られるレム睡眠を多くするからですね。しかし、夢は途中で起きない人ほど、覚えている可能性は低くなります。なので、睡眠の健康と夢の関係を調査する研究はこの神話に否定的です。

 

神話に分類されなかった情報

神話に分類されなかった情報も紹介しておきます。

 

神話に分類されなかった情報

  1. 週末に寝だめするのは適切な睡眠のベストな方法である
  2. 夜中に起きるのは睡眠不足の兆候である
  3. ペットと一緒に寝るのは睡眠の質を向上させる
  4. 朝起きて運動するより寝ていた方がいい

 

ここに挙げられているのはあくまで否定できないだけで、正しいわけではないので注意してくださいね。

それではぜひ参考に。

 

 

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