今回は睡眠日誌について解説します。
睡眠日誌とは?
睡眠日誌とは、人の睡眠を正確に記録するためのツールです。実際に睡眠障害の治療でも利用されています。手軽かつ簡単で費用対効果は抜群に高いです。
睡眠日誌の効果を他と比較すると?
睡眠日誌の効果は睡眠の状態を正確に把握する点にあります。ただし、睡眠を評価するツールはかなり種類があるので、評価法を比較した研究を見ていきましょう。
この研究(1)は数ある睡眠評価法を比較したレビューです。対象になったのは114件の論文でした。比較した睡眠評価法は本当に数が多いので、ざっくり挙げると以下のような感じ。
グループ分け
- 睡眠ポリグラフ:脳波や心電図、呼吸モニターなど
- 睡眠アンケート:最初の診断で行う質問表
- 睡眠日誌:毎日記録する日記
- 非接触型デバイス:マイクやビデオカメラ、温度計など(スマホアプリ)
- 接触型デバイス:手首や頭に装着するデバイス
で、これらを分析すると、正確さは以下のような感じ。
ランキング
- 睡眠ポリグラフ
- 接触型デバイス
- 非接触型デバイス
- 睡眠日誌
- 睡眠アンケート
最も精度が高かったのは睡眠ポリグラフでした。睡眠日誌は4位ですが、主観的な評価では最も精度が高いです。
睡眠日誌とアンケートの差は記録する頻度にあります。アンケートでは医師の面接前に記入しますが、情報は記憶に強く影響してしまいます。
一方の睡眠日誌は起床後に記録するので、記憶の影響を受けにくいわけですね。情報量も正確性も質問表よりも優れているという結果でした。
睡眠日記は最低どのくらいの日数書くべき?
この研究(2)は睡眠日誌の信頼できる推定に何日分のエントリーが必要かを調査したものです。対象になったのは2199人の各国の青年でした。主な結果は以下のような感じ。
結果
- すべてのサンプルで「就寝時間」「眠りにつく時間」「睡眠時間」の信頼できる推定に最低5泊必要だった
- 起床時間は4泊でも良かったが、一部のサンプルでは不十分だった
ということで、睡眠日誌で睡眠の情報を分析するなら、最低5泊分のデータを取るべきです。特に自分の就寝時刻や睡眠時間を知りたいなら、5日分は記録しておきたいですね。
紙とアプリがあるけど、どちらが優秀?
睡眠日誌は紙が定番ですが、最近ではアプリも出ています。気になるのは紙とアプリの差ですが、研究(3)では有意差なしという結果が出ております。
この研究では、紙とアプリの他に客観的なアクティグラフィーも測定しました。で、結果としてアプリの睡眠日誌も紙と同じように機能すると結論付けられています。
睡眠日誌アプリなら「睡眠日誌」がおすすめ
睡眠日誌アプリは睡眠の専門家とNECが共同で制作した睡眠日誌がおすすめです。
知っておきたい睡眠の項目は用意されていますし、データ分析もできます。
手書きの睡眠日誌の場合は睡眠時間の記録などがやや面倒ですが、アプリなら楽に記録できるのが良いですね。無料でAndroid、iOSどちらもあります。個人的に睡眠日誌を利用したいなら、とてもおすすめです。
それではぜひ参考に。
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