ニューサウスウェールズ大学の研究によると、17-19時間起き続けるとアルコールを飲んだときの同等のレベルまで認知機能が低下するという衝撃な結果が発表されました。
17時間以上起き続けるとパフォーマンスはどうなる?
この研究(1)は39人の男女を対象として行われました。実験は以下のような流れで行われています。
実験の流れ
- 1日目:ベースラインの測定
- 2日目:睡眠不足orアルコール摂取
- 3日目:睡眠不足orアルコール摂取
すべての参加者がアルコール摂取と睡眠不足に参加しましたが、順番は半々になっています。アルコールに関しては血中アルコール濃度が「0.025%」「0.05%」「0.075%」「0.1%」になるよう、4回間隔をおいて投与されました。
一方の睡眠不足は起きてから28時間後まで2時間おきにテストが行われています。測定したテストは以下のような感じ。
テストの種類
- 反応速度テスト
- 追跡テスト
- 分割注意テスト
- 記号桁テスト
- 空間記憶テスト
- 文法推論テスト
それぞれテストをして実験は終了しています。結果は以下のような感じ。
結果
- ほろ酔い(0.05%)で反応速度は1/2に低下、エラー数も50%以上増加
- 0.1%のアルコール血中濃度ではすべての測定値でパフォーマンスが低下
- 一部の測定値で0.1%は0.05%と比べて、2倍以上の減少が見られた
- 17時間以上起きているとアルコール血中濃度0.05%相当のパフォーマンス低下が起きた
- 約18時間-20時間以上起きると、0.1%相当のパフォーマンス低下が起きた
これらの結果から、17-19時間起きているとアルコールと同等レベルまでパフォーマンスを低下させるとわかります。16-17時間起きるのは一般的なので、この結果はビックリですね。
著者は特に仕事終わりの運転について注意を促しています。
結果によると、運転中の飲酒には法律上の制限があり、17~19時間の覚醒後には、多くのテストで被験者の成績は安全な運転には法律上の制限があるレベルまで低下していた。多くの人は,仕事,家族,社会生活などの理由で16時間以上も起きたままです。これらの結果は,この覚醒疲労の持続時間後に,安全な行動を損なうレベルに達することを示唆する。
17時間くらいなら起きている人も多そうですが、夜の仕事がどれだけパフォーマンスの低い状態でやっているかわかります。仕事が残っていても、夜のパフォーマンスが低い状態でやるのは合理的ではなさそうです。
それではぜひ参考に。