【メタ分析】就寝何分前に入浴するのが睡眠にとってベストかの科学的な回答

2019年7月20日

風呂

 

就寝と入浴は過去にも色々な研究が行われています。その中でも最近発表されたメタ分析では、就寝1-2時間前の入浴が睡眠開始時間や睡眠効率が改善されると示されました。

 

就寝と入浴の系統的レビュー・メタ分析

入浴のタイミングは別の記事でも解説しました。

 

入浴
今日から使える!睡眠の質を高めるベストな入浴のタイミングはこれ

 

上の記事では深部体温の低下からベストな入浴タイミングを計算していましたが、今回はその辺りは詳しく調べた研究になっています。

この研究(1)は睡眠改善に対する入浴の影響を調査した系統低レビュー・メタ分析です。5316件の論文から精査した結果、17件の論文が選択基準を満たしていました。

入浴に関する主な条件は以下のような感じでした。

 

主な条件

  1. 入浴の種類:ボディバス,シャワー,足湯
  2. 主な水温:40-42℃
  3. 入浴タイミング:1-2時間前に開始・終了(5件)、就寝1時間以内・2時間以上前(13件)
  4. 入浴時間:20分以内(9件)、20分以上(9件)

 

そして、睡眠の質に関して色々と分析しました。結果は以下のような感じ。

 

結果

  • 睡眠開始時間を有意に短縮させた
  • 睡眠効率は有意に改善した
  • 入眠後の覚醒は有意ではないが、改善を示した
  • 総睡眠時間も有意ではないが、改善を示した
  • 徐波睡眠(深い)も有意ではないが、増加を示した

 

結果は多くの研究で睡眠を有意に改善が示されました。最も統計的有意になったのは就寝時間の1-2時間前に入浴した場合で、睡眠開始時間は平均8.6分も短縮されています。8.6分とはいっても全体の約36%も短縮されているので、大きな違いです。

このメタ分析での最大の発見は入浴のベストタイミングが1-2時間前という点です。これが質の高い研究で証明されたのは嬉しいですね。

ちなみに入浴のタイミングは意外と厳しいこともわかりました。

 

就寝時間の2時間以上前に適用すると、眠気を誘発することがありますが、睡眠開始時間を大幅に短縮することはありません。この発見は就寝時刻の5時間以上前に2つの異なる水温(41℃と35.5℃)で入浴を適用したHorneとReidの研究[61]によって説明されています。

 

入浴を寝付きの改善に活かすなら、就寝1-2時間前を厳守するのが良さそうですね。ただ実践的には運動や筋トレの後になりがちなので、難しい部分もあります。個人的には以下のようなスケジュールを試してみようかと思います。

 

理想の流れ

  1. 9時:有酸素運動,筋トレ
  2. 10-11時:入浴
  3. 12時:就寝

 

運動に関しては就寝3時間前でも悪影響はないとわかっています。

 

運動のタイミング
運動が不眠の原因に?睡眠にとってベストな運動のタイミングはいつか?

 

それではぜひ参考に。

 

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