睡眠を加速させる体温の話!皮膚体温を調節して快眠を目指そう

更新日:

睡眠と体温

 

今回は睡眠と体温について解説していきます。体温は上手くコントロールできると、睡眠の質を高められます。

快眠を目指している人はぜひ参考にしてみてください!

 

睡眠と体温のメカニズム

実は睡眠と体温の重要性は、比較的昔からわかっていました。

体温を睡眠に活かすためには、少し体温について理解する必要があります。

 

深部体温と体表温

 

体温は、大きく2種類に分けられます。

体の内部の温度である「核温(深部体温)」と身体の表面温度である「体表温」です。

 

体表音の上昇と深部体温の低下

 

研究では、寝ているときは深部体温が低くなり、体表温が上がっているとわかっています。(1

つまり、快眠を目指すのであれば、深部体温を低くすればよく眠れるというわけです。

 

イヴ
なるほど~!体温を下げれば、よく眠れるってことだねっ!
ニコ
いや、そうではない。むしろ、皮膚の温度を上げることで、深部体温を下げているんだ!

 

最近の研究では、深部体温よりも皮膚温の方が入眠のタイミングをコントロールしているとわかっています。(2

そして、この皮膚温を高めているのは皮膚血流です。

 

この研究では、睡眠時の皮膚血流が起きているときには見られないレベルまで上昇すると発表されています。

つまり、正しいイメージとしては以下のような流れで、体温を調節すれば快眠になるわけです。

 

体温を利用した正しい快眠方法

  1. 体温を高める
  2. 深部体温が低くなるまで待つ
  3. 就寝

 

睡眠と体温を調節する方法も色々な研究がされているので、ご紹介していきます。

 

皮膚温をコントロールする2つの方法

1.体温を調節するベストな入浴方法

睡眠と皮膚温の研究で、特に研究されているのは入浴です。

ざっくり言うと、お風呂で体温を上げれば、深部体温も下がって、眠れるようになるのでは?という感じです。

 

実際に研究でも、入浴が睡眠の質を高めるとわかっています。(3

6人の線維筋痛症患者の女性に行った実験では、3週間という期間で36℃前後のぬるま湯に30分間15回にわたって入ってもらいました。

 

すると、レム睡眠、中途覚醒の回数が減少し、睡眠効率や入眠のスピードも改善されています。

ちなみに「スタンフォード式最高の睡眠」の著者が行った実験では、以下のような結果が出たようです。

 

40℃のお風呂に15分入ったあとで測定すると、 深部体温もおよそ0.5℃上がっていた。

引用元:西野 精治 スタンフォード式 最高の睡眠 サンマーク出版

 

深部体温が高くなると、体温を維持しようとする性質(ホメオスタシス)から体温を低くしようとします。

つまり、入浴で深部体温が高くなると、体温も低くなっていくわけです。

 

理想的な就寝の流れ

 

上記の実験では深部体温が低下したのは90分後とのことで、睡眠の1時間半前に入浴するのがベストということになります。

 

足湯も良い

ここまで入浴について解説してきましたが、足湯も睡眠の質を高めるとわかっています。

婦人科で化学療法中の患者における足湯の影響を調査した実験(4)では、41,2℃のお湯に20分間足を浸すグループと浸さないグループに分けて比較しました。

 

足湯

 

すると、実験終了後には足を浸したグループの疲労と不眠症の有意な低下が見られました。

このことから、足湯にも入浴と同様な効果があるとわかります。

 

就寝前に身体の熱を放射するのは体全体ではなく「手足」なので、理にかなった結果と言えます。

入浴よりも手軽でピンポイントに暖められるので、余裕がある人は足湯もオススメです。

 

2.高反発なマットレスの方が深部体温を0.4℃下げる

睡眠に関して気になるのが寝具問題です。

マットレスと睡眠に関しては色々な研究がされていますが、マットレスと深部体温の研究もされています。(5

 

10人の男性を対象に行われた実験では、高反発なマットレスと低反発のマットレスの効果を比較しました。

結果は高反発のマットレスで深部体温が急速に減少し、交感神経も低下しています。

一方の低反発マットレスでは、温度の低下が適度でした。

 

マットレス

 

夜の1時~2時時点で、高反発よりも深部体温が0.4℃高いという結果が出ています。

このことから高反発なマットレスの方が快眠を促進するとわかります。

ただマットレスと睡眠に関しては結果が一定でないため、具体的にコレがオススメとは言いづらいのが現状です。

 

冷え性は不眠になりやすいという研究も

寝る時に手足が冷えるという女性はかなり多いです。

ここまで説明してきたように、皮膚体温の特に手足の温度が上がって、深部体温が低下していきます。

 

冷え性の女性は手足の温度が上がらないため、深部体温も下がりづらいというのは簡単に考えられることです。

冷え性と睡眠に関しては、スイスで研究が行われました。(6

 

冷え性

 

この研究では、冷え性な人ほど入眠に時間がかかると報告されています。

冷え性な女性がやりがちなのは靴下を履くという対処法です。

 

靴下

 

もちろん上手くやれば、足が温まり熱を開放して深部体温が下がるという効果が期待できます。

ただ注意したいのは以下の2点です。

 

2つの注意点

  • キツイ靴下や重ね履きはしない
  • 靴下を履いたままでは意味がない

 

キツイ靴下や重ね履きをしないのは、血流が悪くなるからです。

先ほども説明しましたが、手足の温度が上がるのは血流が上昇によるものです。

靴下で血流を悪くしてしまうと、逆に皮膚温が低下してしまいます。

 

また靴下を履いたままにするのも逆効果です。

基本的に熱を高めて放出するというのが深部体温を低くする仕組みです。

靴下を履いたままでは熱の放出が上手くできなくなるため、寝る前は原則外すことをオススメします。

 

就寝前におすすめしない2つの体温調節方法

1.電気毛布

寒い日には大活躍の電気毛布ですが、実は睡眠の質を低くするとわかっています。

電気毛布の「深部体温」「睡眠」「メラトニン」への影響を調査した研究(7)では、夜の深部体温の上昇と起きる回数の増加が見られました。

 

ちなみにメラトニンの量には、影響がありませんでした。

このことから、電気毛布はむしろ睡眠の質を低くする可能性があるのではないかと考えられています。

 

今までの説明からわかるように、睡眠中は深部体温が低下するものなので悪影響なのでしょうね。

個人的にもコタツで寝た時に起きる回数が多かった印象があるので、あながち間違いでもなさそうです。

 

2.運動

就寝前の運動は深部体温が高まり、睡眠の質を低下するとわかっています。

一応言っておきますが、運動は上手く行えば睡眠の質を高めます。

ここで言っているのは、「夜や就寝前」の運動です。

 

良質な睡眠を得るためのベストな運動のタイミングは、アパラチア州立大学が調査しています。(8

この実験では運動のタイミングを「午前7時」「午後1時」「午後7時」の3パターンに分けて比較しました。

 

運動と睡眠

 

結果は午前7時の運動が最も睡眠時間が長く、睡眠の質も高いと出ています。

 

また50~75歳の女性を対象とした実験(9)では、週225分運動する人は週180分以下の人に比べて入眠時間が短かったという結果が出ています。

しかし、夜に週225分運動する人は週180分以下の人と比べて、睡眠に問題がありました。

このことから運動自体は睡眠に良い影響を与えますが、夜の運動は問題がありそうです。

 

運動の習慣がない人はヨガやストレッチがオススメ

そこでオススメするのがストレッチやヨガです。

特にヨガに関しては睡眠の質を高めるという研究結果がいくつか出ています。(10,11

 

ヨガ

 

69人の高齢者を対象とした実験(9)では、「ヨガ」「アーユルベーダ(インドの伝統医学)」「なし」に分けて実験しました。

すると、ヨガのグループは入眠時間が短縮され、睡眠総数の増加が見られました。

あまり運動をしていないという人はヨガから始めてみてはいかがでしょうか?

 

Copyright© ネクストサピエンス〜科学で生活をより良くするサイト〜 , 2018 All Rights Reserved.