昼寝の効果を検証した研究まとめ!科学的に正しい昼寝のやり方とは!?

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科学的な昼寝のやり方

 

このページでは、昼寝の効果について検証した研究をまとめています。最後には科学的に正しい昼寝の方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

昼寝に良い効果があるという研究まとめ

1.昼寝は10分がベストだった

2006年に行われた研究(1)では、24人の成人を「5分」「10分」「20分」「30分」のグループに分けて比較しました。最も効果的な昼寝は10分でした。

 

昼寝は10分がベスト
10分の昼寝には、疲労や活力、認知機能、主観的眠気を改善する効果が確認されています。

 

一方で30分の昼寝は目覚めの悪い期間が出てしまい、遂行能力が低下する期間が生じたとのことです。

 

ニコ
昼寝の時間が10分で良いなら、効率的で嬉しいな。
イヴ
えー!10分だけー!?

 

2.昼寝は最短7.3分で効果が認められている

昼寝の研究史上、最短で効果があったのは7.3分です。

この研究(2)は日本の研究で、「昼寝なし」と「15分間の昼寝」「45分間の昼寝」に分けて比較しています。

 

15分が眠気を減らすパフォーマンスを改善
この15分間の昼寝の実際に寝ていた時間が7.3分だったわけです。

 

この研究では睡眠段階1が5.2分で、睡眠段階2が2.1分ということもわかっています。

 

+ 睡眠段階とは?

睡眠段階とは、睡眠の深さを測る指標です。睡眠段階一、二は浅睡眠。睡眠段階三、四は深睡眠です。

 

睡眠段階1の睡眠と睡眠段階2を含んだ睡眠を比較した実験もある

ここから比較実験(3)も行われています。内容は「睡眠段階1の睡眠:5分」と「睡眠段階1の睡眠:6分と睡眠段階2:3分」の比較実験です。

 

昼寝

 

眠気はどちらも取れましたが、9分の方が作業効率も上がりました。この実験から「昼寝時間が5分よりも10分の方が良い」か「睡眠段階2に入った昼寝が効果的」のどちらかという仮説が生まれます。

どちらにせよ、私たちが昼寝をするときは、最低7分以上は時間を取るのが良さそうです。

 

3.30~90分の昼寝が認知機能を高める

中国で行われた高齢者を対象とする実験(4)では、30~90分の昼寝が最も認知機能を高めるとわかりました。

この実験は「昼寝なし」「30分以下の昼寝」「30~90分の昼寝」「90分以上の昼寝」の4つに分類して行いました。

 

総睡眠時間認知機能
昼寝なし5.9±2.19.1±4.0
30分以下6.3±2.29.8±3.8
30~90分6.3±1.910.2±4.0
90分以上6.6±2.19.4±3.9

 

結果として、30~90分の中程度の昼寝をしていたグループが最も認知機能が良かったです。

もっと見ると、昼寝なしグループが一番認知機能が低いので、昼寝はかなり大事ですね。

 

イヴ
勉強するなら、1時間くらいの昼寝が良いのかな~?

 

4.15分間目を閉じているだけでも記憶力が強化される

2016年に行われた研究(5)では、目を閉じたまま15分間休むと、記憶力が高めるという結果が出ています。

この実験は26人の参加者に短いストーリーを覚えてもらって、目を閉じたまま休んだり妨害課題(?)をやってもらったりしました。

 

目を閉じるだけでも記憶力が良くなる

 

すると、目を閉じたまま休んだグループの方が記憶が良くなっていたのです。

この記憶強化は睡眠中にも行われるものと同じで、静かに目を閉じるだけでも似た効果があります。

 

ニコ
全く眠気が無くても、目を閉じて休むのが良さそうだ!

 

5.20分の休憩と20分の昼寝では昼寝の方が疲労回復と疲労防止に有効

2004年の研究(6)では、ただの休憩よりも昼寝の方が疲労に良いとわかっています。

この実験は10人を対象に、2時間の作業→20分の昼寝or休憩→1時間の作業を行わせました。

 

20分の昼寝は休憩よりも疲労に良い

 

すると、昼寝をしたグループの方が主観的な覚醒度やパフォーマンスレベルが高く維持され、精神的な疲労も低レベルでした。

このことから、昼寝をした方が疲労回復や疲労防止には良いとわかったわけです。

 

6.30分の昼寝がストレスを解消し、睡眠不足を回復させる

2015年の研究(7)では、30分の昼寝で「ストレス解消」「免疫の効果」「睡眠不足の回復」の効果があるとわかりました。

この研究では、11人の被験者から唾液に含まれる「インターロイキン6」と尿に含まれる「カテコールアミン(ドーパミンやアドレナリンなどの総称)」を調査しました。

すると30分の昼寝後、睡眠不足に見られるノルアドレナリンの上昇が昼寝をした後では見られず、インターロイキン6の変化も正常になっていたのです。

 

+ ノルアドレナリンとインターロイキンとは?

ノルアドレナリンとは、ストレスを感じた時に分泌されるホルモンで、分泌されると体を緊張・興奮状態にします。
適切に分泌されるとやる気や集中力を高めてくれますが、過剰に分泌されるとイライラしやすくなるなど悪影響もある物質です。

インターロイキン6は免疫を制御しているサイトカインのひとつです。
炎症のメカニズムにも関わっていますが、減ってしまうと免疫力が低下してしまいます。

 

30分の昼寝は睡眠不足を回復させる

 

つまり、睡眠不足のイライラや免疫力が30分の昼寝で、解消されたわけです。

 

イヴ
睡眠不足の日は昼寝したいね~!

 

7.眠気が強くなるのは2時だが、12時でも効果あり

眠気のタイミングから2時がベストな昼寝のタイミングとされていましたが、12時でも効果があるという結果(8)も出ています。

この研究では正午に20分間昼寝をして、眠気やパフォーマンスを調査しました。結果は眠気が抑制され、仕事への意欲と主観的なパフォーマンスが改善されました。

 

12時に昼寝をしても午後の覚醒は維持できる

 

このことから正午に昼寝をするだけでも、昼間の覚醒レベルを維持できると考えられています。

昼休みの時間帯の昼寝でもある程度効果はありそうです。
ただできるだけ2時に近い方がいいかもしれませんが。

 

8.昼寝を始めて3日目までは寝覚めが悪いが、4日目以降からは良くなる

今まで昼寝をしたことがなかった人が昼寝をして、眠気を感じたことがあるかもしれません。ただそれは日に日に減少するという研究(9)があります。

 

この研究では、昼寝の習慣がない7人の20代を対象としました。実験では、5日連続して20分未満の昼寝をしてもらい、主観的な眠気と疲労を評価してもらいます。

 

すると、始めて数日は約12分の昼寝でも眠気が出てきました。しかし、この感覚は日を追うごとに減少して、4日目には無くなりました。

 

4日目以降は昼寝後の眠気はなくなる

 

ちなみに短い昼寝で眠気が出ても、そこから先は疲労を感じにくくなります。また短い昼寝は3日以上行うと、効果が高くなるとわかりました。

 

昼寝に悪い効果があるという研究まとめ

1.1日に60分の昼寝が糖尿病のリスクを増大させる

アジアと西洋の30万人を対象としたメタ分析(10)では、過度な昼寝が2型糖尿病のリスクを50%増加させるとわかりました。
ちなみに短い昼寝は糖尿病のリスクを増加させませんでした。

 

1時間の昼寝が糖尿病のリスクを増大

 

他にも肥満について調査していますが、肥満のリスク増加とも関連がなかったようです。

3の研究では30~90分の睡眠が最も認知機能が高いと出ていましたが、1時間以上の睡眠はリスクがあるとわかります。

 

2.1日1時間以上の昼寝が全死因死亡リスクの32%を増加させる

2015年に行われたイギリス人を対象とした実験(11)では、1時間以上の昼寝が全死因死亡率のリスク上昇と関連していました。

この研究は男女含む16,274人と大規模なもので、65歳以下の人は特に呼吸器疾患のリスクが懸念されるようです。

 

1時間の昼寝が死亡リスクを増加させる

 

昼寝が悪影響を及ぼすのは、1時間以上が目安になっていますね。

 

3.1時間以上の昼寝がパーキンソン病のリスクを3倍にする

1時間の昼寝がパーキンソン病のリスクを増大

 

2018年の研究(12)では1時間以上の昼寝が30分未満の人と比べて、パーキンソン病のリスクが2倍以上だったとわかっています。

パーキンソン病とは、脳の異常で体の動きに障害が見られる病気です。
また昼間の眠気とパーキンソン病のリスクには、関連が見られませんでした。

 

4.2時間以上の昼寝が認知症リスクを飛躍的に高める

2751人の男性高齢者に行った研究(13)では、認知症のリスクも高めるとわかっています。

この研究では年齢や睡眠薬の使用、ベースラインの認知を調整した後で計算したところ、1日2時間以上の昼寝をしていた人は認知症リスクが52%でした。

 

2時間の昼寝が認知症のリスクを増大

 

この結果は1日120分以上の昼寝が短期間の昼寝をしていた人よりも、認知症を発生する可能性が有意に高い結果です。
やはり、長時間の昼寝は脳に害があると考えていいでしょう。

ただパーキンソン病の結果を含めて、高齢者を対象にした研究なのでそれ以外の世代にはどんな影響があるのかは不明です。

 

科学的に正しい昼寝のやり方

ここまでの研究から科学的に正しい昼寝のやり方は、以下のとおりです。

 

科学的に正しい昼寝のやり方

  • 昼寝は10分前後+起きる時間5分
  • 1時間以上の昼寝はしない
  • 昼寝の時間は12~14時にする
  • 昼寝の習慣は3日以上継続する
  • 睡眠不足のときは30分の昼寝をする
  • 眠くなくても目を閉じる

 

昼寝の時間は1の研究から10分がベストですが、あくまで睡眠時間の話なので別で5分ほど起きるための時間を用意するのがオススメです。

昼寝10分は睡眠段階2になるので、起きてからすぐに仕事や勉強というわけにはいきません。

スッキリ起きるためには、きちんと起床時間を設定するのがオススメです。

 

科学的に正しい昼寝の方法を知りたかった人は参考にしてみてください!

 

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