睡眠と音楽は色々な研究が行われています。その中でも、徐波睡眠(深い睡眠)を46.18%も増加させた音楽が判明しました。
昼寝の質を激しく改善する音楽の話
この研究(1)は27人の健康な睡眠をしている女性を対象として行われました。参加者は2つのグループ分けしています。
グループ分け
- 音楽群:リラックスした音楽
- テキスト群:催眠用音声が男性の声で流れる
使われた音楽は「Drifting into Delta」というリー博士が開発した睡眠用のリラックス音楽でした。
この音楽はYouTubeにもあるので、ぜひお試しください。個人的にも寝付きやすくなったのでおすすめです。
どちらのテープも約14分間眠る前に流しました。参加者はリラックスして音楽を聞くよう指示されていて、いつでも眠ることを許可されています。
昼寝は90分間で、測定した内容は以下のような感じ。
診断内容
- PSQI
- 睡眠日記
- 催眠感受性
- 記憶テスト
- 精神運動覚醒テスト
- 睡眠ポリグラフ
- 心拍数
このように主観的なものから客観的なものまで測定しています。
結果は以下のような感じ。
結果
- 音楽群はN1を短縮し、徐波睡眠(深い睡眠)を46.18%増加させた
- 主観的な睡眠の質は対照と比較して良かった
- 記憶力は変化なし
- ただし催眠感受性が低い人に限る
これらの結果は催眠感受性が低い人は音楽を聞いた後の睡眠の質が良いとわかりました。特に音楽群は浅い睡眠が短くなり、深い睡眠が46%も増加しています。つまり、音楽は人の睡眠を回復的にするかもしれないわけです。中々いい感じですね。
メモ
催眠感受性とは、催眠に対する反応のことで、スコアが高いほど催眠に対する反応が良くなります。
ただし音楽の効果はイメージとは裏腹に催眠に対する感受性が低い人ほど睡眠の質が改善しました。普通は催眠にかかりやすい人ほど、音楽の効果があるような気がしますが、この辺りはビックリですね。
著者は以下のように述べています。
低い感受性の人は催眠術よりも非言語的リラクゼーションを好むように思われる。これは話されたテキストに直面したときに、直接的で具体的な指示によって操作されるという懸念から生じる可能性があります。
どうやら「人に操られるのでは?」という気持ちがある人は文章よりも音楽の方が効果はあるかもしれないわけですね。
今回の研究は昼寝でしたが、夜の睡眠でも利用できそうです。個人的にも就寝前に聞いて寝ましたが、眠るまでの時間は短くなった印象があります。
それではぜひ参考に。