これはスゴイ!あらためてメラトニンの効果と副作用をまとめてみた

2019年4月24日

メラトニン

 

メラトニンとは、眠気を誘うホルモンのことです。日本では第一類医薬品ですが、海外では市販のサプリとして販売されています。そんなメラトニンを徹底的にレビューした研究が発表されました。

 

2018年に発表されたメラトニンの包括的レビュー

2018年に発表されたメラトニンの包括的レビュー(1)では、メラトニンの効果から安全性まで幅広くまとめられています。この研究は1996年から2017年までの論文が対象となりました。

論文を精査した結果195件の研究が残り、メタ分析をしています。メラトニンは研究数が非常に多いですが、今まで見た論文の中でもトップクラスに信頼性が高いです。

 

メラトニンの主な効果

メラトニンの主な効果は以下の通りです。

 

結果

  • 乳がんのリスク
  • 手術後の動揺防止
  • 手術前,後の不安
  • 手術後の痛み
  • 入眠までの時間
  • 睡眠の質

※ランダム効果モデルPが0.05未満

睡眠以外にも、メンタル面への影響が確認されています。意外だったのは、メラトニンとがんのメタ分析が行われていた点です。しかも結果が意外に良くて、びっくりしました。

逆に効果が小さかったりなかったりしたのは、以下のようなものでした。

 

結果(効果がない~小さい)

  • 睡眠薬などの禁断症状:メラトニン以外の睡眠薬
  • せん妄の発生率:意識障害の一種で、暴れたり幻覚が見えたりする
  • 気分障害
  • 認知機能
  • うつ病スコア
  • 妊娠率

 

意外にも睡眠薬の禁断症状には、ほとんど効果がなかったようです。後はおおむねメラトニンへの期待とは離れた要素ですかね。

 

メラトニンの副作用

この研究では安全性についても書かれています。メラトニンの悪影響が報告されたレビューは11件(全体の5.6%)でした。悪影響は典型的に軽度で、一過性の頭痛やめまいなどが挙げられています。個人的にもメラトニンを毎日飲んでいますが、副作用は感じたことがありません。著者も以下のように述べています。

 

メラトニン治療の圧倒的な利点とごくわずかで軽度の副作用(長期使用の場合)を考えると、リスクと利益の比率はメラトニンに有利です。

 

個人的に気になったのは「飲み続けたら、自力で分泌する力は無くならないか?」でしたが、2mgのメラトニンを1年間摂取し続けて、副作用や禁断症状、メラトニンの産生に問題なしという結果が出ていました。(2

メラトニンは大きな副作用も確認されていませんし、今のところは安全に使えると言っていいでしょう。個人的にもメラトニンサプリを使っていて、スッキリ眠れているので試してみる価値はあります。

 

 

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